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カテゴリ:地図・位置情報サービス
Googleは、地球上のさまざまな場所の位置を特定するためのコードを生成できるウェブサイト「plus+codes」を提供開始した。
plus+codesでは、位置を示すための新たなコード「Open Location Code(OLC)」に基づいたコードを生成できる。また、Googleマップでも同コードによる位置検索に対応し、検索窓に同コードを入力して検索することで、そのコードが示す位置を地図上に表示できるようになった。 OLCでは100×100kmの範囲を示すRegion Code(地域コード)と、5×5kmの範囲を示すCity Code(都市コード)、250×250mの範囲を示すNeighborhood Code(街区コード)、14×14mの範囲を示すBuilding Code(建物コード)の4要素で構成されている。 例えば「8Q7XMQ52+6J」は東京都の港区役所を示しており、この場合は「8Q7X」がRegion Code、「MQ」がCity Code、「52」がNeighborhood Code、「6J」がBuilding Codeとなる。なお、Region CodeやCity Codeを記載せずに検索すると、近隣で同じコードを持つ場所が表示される。 plus+codesのサイトにアクセスすると、地図の中央部分の青丸マークの位置を示すOLCが下部に表示される。小縮尺の状態から次第に拡大していくと、最初はRegion Codeの4桁に「0000+」を足しただけのコードだったのが、範囲を絞っていくうちにCity Codeが加わり、さらにNeighborhood Codeが加わり、そのたびにコードが追加されていくのが分かる。 Building Codeまで指定するとかなり狭い範囲を絞り込むことが可能で、Building Codeのあとにさらにもう1字付け足すことにより、大きな建物の入口の位置などもピンポイントに特定できる。このコードをメールなどで友人などに送れば、例えばイベント会場で友人と待ち合わせするような場合でも正確に場所を指定できる。 なお、plus+codesのサイトはiPhone/Androidスマートフォンのウェブブラウザーからもアクセスできる。右下のピンをタップすることで位置を固定することが可能で、画面下部の方位磁石のアイコンをタップすることにより、指定した場所への方向および距離を表示させることもできる。また、左上をクリック(タップ)してメニューを開くと、背景地図をGoogle マップの航空写真レイヤーのほか、Bing MapsやOpenStreetMapなどに切り替えることもできる。 Googleは、OLCの有効な活用方法として、駐車場やビーチなど広い場所の中で位置を特定したり、細かい住所が割り当てられていない国において郵便物を届けたりするといった用途を挙げている。また、同社は4月に発表したOLCに関するブログ投稿(Google Open Source Blogの2015年4月30日付記事)の中で、緯度・経度でも地球上のあらゆる場所を指定することはできるが、それらは表記が長く扱いにくいため、より人に負担をかけない新しいコードとしてOLCの使用を提唱している。今後、この新しい位置情報コードがどのように活用されるのか注目される。 (INTERNET Watchより) ------------------------------ 情報をコンピューターで処理することが当たり前の時代になり、人が言葉(テキスト)で理解している対象をコード化すること自体は一般的になってきた。 位置情報についても同じで、人のコミュニケーションでいえば、絶対的な位置情報をピンポイントで伝えなくとも、例えば住所である程度場所は特定できるし、そこからは相対的な位置を示す言葉でさらに詳しく説明することも可能ではある。 ところがコンピューターでは曖昧さは処理を難しくすることになるので、場所ひとつ示すにも規則化されたコードが有効ということになる。 位置を示すコードはこれまでも使われている。 例えばカーナビの世界では1997年にデンソーが開発したマップコードという仕組みがある。 これは日本国内のあらゆる場所を、6〜10桁の数字で表すもので、約30m四方の精度を持ち、さらに2桁の高分解能コードを加えることで、約3m四方で場所を特定することが可能になっている。 この仕組みは例えばカーナビで行先を指定する際に住所の変わりにこのコードを入力するような形で利用された折り、緯度経度に比べて半分以下の桁数の数字で表現することができる。 ただしマップコードというくらいだから地図での利用を想定したものといっていい。 また、国土地理院は場所情報コードという仕組みを運用している。 その説明は「ある場所に固定されたモノを識別し必要な情報を結び付けられるようにするために、情報通信分野で使われるucodeに準拠したコードで、位置(緯度、経度及び高さ(階層))に関する分類と、当該位置に存在するモノを一意に識別するための連番から構成される」とされており、利用促進に向けて様々な実証実験を行っている。 ただし現時点ではまだ普及途上にあり、利活用も主としてインフラ等公共的な目的でのものが多い。 一方、OLCはどちらかといえばストリートアドレス対策という側面があるのかもしれない。 ストリートアドレスは日本のような街区制の住所に比べればわかりやすいが、線と点の組み合わせなのでエリアを特定することが難しい。 住所を持たないような場所を表現するのには適さない。 (日本のような街区制は面で表せるので、精度はともかくも包含関係は成立しやすい) そういう意味ではOLCのような仕組みの普及は日本に比べれば大きな意味を持つことになるのだろう。 しかしこうしたコードは普及して共有されてこそ使い勝手がよくなるものであって、世界共通で標準化できるか(普及できるか)はそれぞれの国の背景を考えると簡単なことではない。 日本の地図文化はガラパゴスと言われがちだが、日本の中では極めて合理的な考えからできているわけで、これをOLCに合わせるには(トップダウンでやるなら別だが)積極的な理由はない。 Googleの対応でどこまで普及していくのか、少し見守る必要がありそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.09.17 04:13:56
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