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東日本大震災で住民636人が犠牲となった宮城県山元町で語り部の活動を続ける「やまもと民話の会」が、被災した同町の旧中浜小を題材にした紙芝居を作った。
校舎が津波にのまれながら児童ら90人が助かった当時の様子を絵と物語で描写。幅広い年代に震災の記憶と備えの大切さを伝える。 紙芝居は22枚で構成。代表の庄司アイさん(81)らが同小教諭の証言を基に筋書きをまとめ、広島のアマチュア画家が描いた。被災地に鎮魂の巡礼路の整備を目指す一般社団法人「東北お遍路プロジェクト」(仙台市)が制作を支援した。 海岸から約200メートルにあった旧中浜小は、津波で鉄筋2階の校舎がほぼ水没。児童や教職員、住民は屋上の屋根裏倉庫に逃げて助かった。紙芝居では、校長らが屋上への避難を決断した経緯、津波や余震に襲われた恐怖を鮮明に描いた。 タイトルは「朝日はきっと昇る」。寒さと空腹に苦しみながら一夜を過ごす児童らを、当時の校長が励ました言葉を引用した。 1989年に完成した校舎が津波に備えて1.5メートルかさ上げしていたことや、震災2日前に地震があり、校長らが事前に防災計画を確認したことも紹介した。 民話の会はこれまで、被災者の証言集も制作している。庄司さんは「児童を救ったのは、奇跡ではなく教職員や住民らの事前の備えがあったからこそ。命を守るために必要なことを、分かりやすく多くの方に伝えたかった」と語る。 旧中浜小は2012年度で閉校し、坂元小に編入された。紙芝居の最後の1枚は、庄司さん自ら新天地で児童が笑顔で学ぶ姿を描いた。「悲しい経験を乗り越え、元気で過ごす姿を知ってほしい」と庄司さん。紙芝居は町教育委員会と連携し、防災教育や語り部活動に使いたいという。 (河北新報より) ------------------------------ 歴史を紐解けば同じ地域で同じような災害が繰り返されているわけで、その地域における世代を越えた災害伝承がされていくことが減災行動の大きな動機づけになる。 特に子どもたちには地域学習の一環として、その地で過去に起こった災害の話を伝えることが効果的であり、こうした紙芝居のような方法は体験を伝えていく意味で有効なのではないか。 それもいたずらに成功ドラマを話すのではなく、「助かったのは奇跡ではなく事前の備え」というメッセージが伝われば一番いい。 防災教育はこうした形で子どものころから地域の特性を知ってもらい、そこをベースに年齢なりの学習を積み重ねていくことが理想的。 紙芝居はツールとしてかなり使えそう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.09.23 01:14:44
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