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2015.11.15
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カテゴリ:空間認知
消費者がスーパーで行う買い物の7割は、来店前に計画されたものではなく、店内で決定されています。したがって、店舗環境がその決定に与える影響は大きく、買い物客がそれをどう捉えているかを知ることは小売業者にとって重要です。

そうした買い物客の知識のひとつに、メンタルマップがあります。買い物客が頭の中で描く地図のことです。認知マップとも呼ばれます。さまざまなメンタルマップがありますが、今回はスーパーのメンタルマップについて考えたいと思います。誰でも、自分がよく利用するスーパーについては、どの製品カテゴリーが店内のどこにどれぐらい置かれているかなど、だいたいのレイアウトを地図のように記憶しているでしょう。これがメンタルマップです。

メンタルマップは心理学や地理学における人間の空間的挙動の研究で古くから分析されてきており、消費者行動研究でも店舗メンタルマップの存在をかなり前から認識しています。

たとえば、ソマーとイーケンスは、スーパーの買い物客に対してさまざまな製品カテゴリーの陳列場所について尋ねる調査を行い、内側よりも外側の通路にある製品カテゴリーのほうが、利用頻度が低い人よりも高い人のほうが、そして大きいスーパーよりも小さいスーパーのほうが、より正確なメンタルマップが形成されることを明らかにしています。

また、グロエペル=クレインとバートマンは、買い物客の移動を時計回りに誘導するレイアウトと反時計回りに誘導するレイアウトを持つ2つの日用雑貨店を比較し、前者のレイアウトのほうがより詳細で正確なメンタルマップが形成されること、特定の方向への向きやすさやバリューフォーマネーについての買い物客の評価が高いこと、買い物客の支出がより多くなる傾向にあること、および特定の製品を効率的よく見つけられる買い物客が多いことを明らかにしています。

日本ではスーパーのレイアウトを反時計回りにしているところが多いですが、この結果からは時計回りのほうがよいことが示唆されています。これまで、反時計回りのほうがよい理由として、買い物客の多くが右利きであり、右利きの人は右側志向になるため、反時計回りのほうが歩きやすくなるという考え方が採り上げられてきました。

しかし、この研究の説明によると、右利きの人が反時計回りに移動すると、右側(壁側)の陳列ばかりに注意が行きやすくなるのに対し、時計回りに移動すると右側(店の内側)だけでなく左側(壁側)も見るので、より多くの商品に注意が行きやすくなるのです。

なぜ時計回りでは壁側を見るようになるのかという疑問に対しては、壁には保護的な役割があるので、人間は安全性欲求から壁を確認する傾向にあるためと説明しています。レストランで食事をするときに、中央よりも壁側の席に座りたいと思うのも、この考え方で説明できます。時計回りのレイアウトは一考の余地があるかもしれません。

いずれにしてもメンタルマップを持っている買い物客は、入店するとこのマップを想起し、マップ上のどの売り場から買い物を始め、どこの通路を通ってどの売り場へ移動し、どの売り場を最後にどの辺りのレジで支払いを済ませるかといった、だいたいのルートをただちに決めます。当然、不要な売り場はそのルートから外されます。

ただし、店内が混雑していたり、特別な陳列やイベントがあったりすると、そのルートが調整されることもあります。初めて訪れる店ではこうしたメンタルマップが存在しないので、時間をかけて店内のあちこちを移動することになりますが、何回か利用するうちに形成されてきます。そうなると、その店での買い物という行為はその買い物客にとって効率性の高いものになるのです。

スーパーは、商品の陳列場所を移動するという「レイアウト変更」をときどき行っています。しかし、それは買い物客にとってメンタルマップが使用できない不快な出来事になってしまう可能性が高いことに注意するべきです。スーパーでの買い物の多くは日常的な行為であり、関心が低く、ときには面倒に感じるものです。できるだけ時間と労力をかけずに終えたいと思っている買い物客はかなりいます。

普段から買い物している店舗のレイアウトが変更になったところで、新鮮さや新奇性が感じられることはほとんどありません。なぜなら、商品そのものが入れ替えられるのではなく、商品は変わらないまま売り場が移動するだけだからです。買い物客は、買いたいものをウロウロしながら探さなければならないことにイライラするだけなのです。

アメリカでも、買い物客に「買い物でイライラさせられることは何か」と尋ねると、決まって「店内の商品の場所が変わること」という答えが返ってくるそうです。いつものメンタルマップが使えれば精神的にも余裕があるので、周辺の商品にも目を向けやすくなり、より多くの商品を買うといったことが起きてきますが、レイアウト変更はそうした機会を減らしてしまうのです。

ファッション商品のように、季節ごとに商品自体が大きく入れ替わる場合にはレイアウト変更は効果的ですが、年中同じような商品が並べられているスーパーでは勧められません。レイアウトを変更するなら、今までとは異なる雰囲気の売り場をつくり、買い物客に新しい売り場になったと感じさせ、楽しい気分でメンタルマップを更新させることが必要です。そうすれば、買い物客のその売場への関心も一層高まることでしょう。


(Business Journalより)
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興味深い考察。

人間の屋内においての空間認知は、初めての場所であれば各種サインが頼りになるが、行き慣れた場所であれば経験から脳内に地図として蓄積され、それを参照する形で行動することになる。
スーパーやコンビニのように日常的に訪れ、なおかつある程度訪れた際のルーチンがあるような場所は特にその傾向が強い。

こうした商品の陳列については、レイアウトも考えられているはずで、かつて高度成長期にデパートが家族連れを一旦上層階の食堂に上げておいて、そこから下りながらゆっくり買い物をさせるような導線を描いていたという話を聞いたことがある。
記事にある時計回り反時計回りの話や壁の効果については知らなかったが、人間の行動にそうした心理的な作用があることは十分に理解できる。

ドン・キホーテやユニクロなどでは頻繁にレイアウト変更を行うスタイルを採っている。
これはお客さんに店からの商品提案を示すことには有効である他、お客さんを迷わせながら魅力的な商品を見せることで、予定外の商品を買ってもらって売り上げを伸ばす効果もある。
ただしこの方法は非日常的な買い物であることや、価格が相場に比べて安いこと、さらにはお客さんが店内を回遊することに楽しさを感じるような空間であることが求められる。

一方のスーパーマーケットやコンビニは、恐らく多くの人が毎日訪れる極めて日常的な空間であり、購入する商品も日々の生活必需品であり、買い物自体がルーチンになっているという前提がある。
それゆえにレイアウト変更がお客さんのストレスにつながる、という解釈ができる。

さらにいえば、日常の買い物は必要があることで脳内に地図が蓄積されるが、非日常の買い物はそれを必要としない、もしくは無い方が楽しめるということなのではないか。
だとすると、間接的に地図そのものがストレスを生んでいる、という微妙な解釈も成り立つのだが…





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Last updated  2015.11.16 01:46:04
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