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カテゴリ:GIS
G空間EXPO2016がお台場の日本科学未来館で開幕した。
今年のキャッチコピーは「みんな『G空間』の中にいる。」という、ある意味これまでよるグッと踏み込んだ感がある。 新聞やニュースでも「ドローン」や「自動運転」「IoT」「ビッグデータ」など、G空間と関係の深いキーワードが報道される機会が多くなった。 これはとりもなおさず、地理空間情報に関連する技術が普通に暮らしの中に入ってきていることを意味しているといっていい。 それを受けての、このコピーという解釈でいいだろうか。 今日は午後に会場入りしたのだが、都内は真冬並みの寒さに加えて54年ぶりの11月の降雪(さらにいえば観測史上初の11月の「積雪」)ということで人の出足は今一つ。 プログラムは3日間息つく間がないほど充実しているだけにもったいない感が。 展示が賑わうのは明日になるだろうか。 通りかかったメインステージで行われていた「新時代の幕開け“コグニティブコンピューティング”のいまに迫る!」が面白かったのでそのまま拝聴。 プログラムはG空間の仕掛け人ともいうべき東京大学空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授とコグニティブコンピューティングをリードする日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所の福田剛志所長とのAIについての対談。 昨今さまざまな側面から注目されるAIについて、ビジネスや生活においていかに人の役に立てるのか、そしてそのためにはどういうデータが必要なのか(とりわけあらかじめ答えの与えられていない教師なし学習において)といったテーマの話で、いうなればAIを豊かな生活に繋げるための最短ルートを探るようなイメージだった。 学習効果が得やすいインプットは、例えば文章であればコンテクストがはっきりしている論文のようなもので、逆に論文のような精度をもたない一般の文章ではまだ同じことができるレベルではない点、その条件を満たせばどんな分野でも広げられるであろう点、しかし現実的には経済的にペイする分野に絞られるのではないかという点などが福田氏から示された。 また、柴崎氏が「株価などでは期待が大きいのでは」と投げたのに対して、「そうした市場分析は成功していると外に出にくい。外に出すより自分で独占した方が利益が大きい」という答えには思わず膝を打った(笑) カオスともいえる地理空間情報において今後こうした手法がどこまで利用されていくのかは難しいところだが、データ連結のキーとなる時間と場所の情報が価値を生むことは間違いなく、例えばロボットのように複数のセンサーが同時に同じ場所のデータを蓄積していくことができれば大きく変わっていくだろうという見解が示された。 これは思いがけず興味深い話だった。 その後は7階で行われていたGeoエデュケーションプログラム「自治体における日常業務へのGISの応用」を見学させてもらう。 地理情報システム学会自治体分科会が中心になって、どうやって自治体業務の中にGISを有効に応用するかという観点で学ぶワークショップ。 例年非常に密度の濃い内容になるこのプログラムだが、今年もやはり凄かった。 市民協働型の仕組みとして先行している「ちばレポ」などを参考に、日常業務で多く寄せられる市民からの指摘やクレームをカードゲーム形式で示し、それに対する解決策を導きだす方法でワークショップが進められた。 午前中にそれぞれがさまざまなパターンのクレームを考えて、午後にはチームを組んで解決していくプロセスを導きだす。 アナログ地図上で考えながら解決プロセスを組んでフロー化していく行程は、GISデータベースづくりのプロセスの本質的な部分を理解することにもつながる。 今回は自治体業務の事例として進められているが、手法そのものは汎用性が高く、GISを「何のために利用するのか」を学ぶ方法として非常に優れていると感じた。 チームごとに議論が進められ、最後にはそのチーム単位で取り上げた課題に対する解決策を発表をする。 出てくるアイディアはいずれも非常にユニークかつ実践的なもので(そのあたりはさすが現役の自治体職員)、色々と気づかされる点があった。 そしてその発表に対して他のチームから容赦ない意見や質問が飛びかうのも素晴らしかった。 今回は講師陣はもちろん、各チームをサポートする形で配置されたメンターの実力も非常に高く(皆さん自治体の職員)、これだけの規模のワークショップが開催できているのを見て、自治体GISに携わる優れた人材がこんなにも増えているのかという新鮮な驚きと、これまで自治体GISを取材してきた一人として感慨深い気持ちになった。 そのG空間EXPO2016も明日は中日にあたる2日目。 天候が回復するであろうことに加えて、例年来場者が多い金曜日でもあり非常に楽しみ。 是非おでかけください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.11.25 02:29:09
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