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カテゴリ:地理
<蔵王山>ざおう「ざん」から「さん」に(河北新報)
山形市議会は30日、国土地理院に登録されている蔵王山の呼び方を、「ざおうざん」から「ざおうさん」に変更するよう求める意見書を可決した。山形側では「ざおうさん」と呼ぶことが多いという。名称変更には関係自治体が合意の上で国土地理院に申請する必要があるため、佐藤孝弘市長は近く、各市町を訪ねて協力を要請する予定。 たかが山名、さらど山名。 地元の人々にしてみれば、日常がその山とともにあるわけで、我々が考えているよりもずっと重要な問題ともいえる。 山名とどう読むか(あるいは表記するかも含めて)は日本語の難しさを凝縮した問題でもある。 たとえば「山」ならば「やま」「さん」「ざん」「せん」、「岳」では「たけ」「だけ」まれに「がく」もある、地域によっては「峰」「嶺」や「森」で完結する山名もある。 英語だと「Mt.○○」で済みそうな山名がこれほどバラエティ豊かな呼び方になってしまうのはもちろん地域文化を反映している意味では素晴らしいことなのだけど、「初見で読めない山」を量産していることもまた事実だ。 さらに近年はインバウンド対応でこうした山名を英文表記でどうするのか、といった議論もある。 富士山の「Mt.Fuji」はいかにもわかりやすいが、「八ヶ岳」が「Mt.Yatsuga」でいいのか、それなら「Mt.Yatsugatake」にしようとか、そうなると「大山」も「Mt.Oh」「Mt.Dai」じゃだめだろうとか、もはやきりがない。 閑話休題、仮に蔵王山の読みを変更するとして、多くの山がそうであるように、蔵王山も県境にまたがる山である。 今回の意見書は山形県側から出されているが、宮城県側の合意もないとおかしな話になってしまう。 そこは今後の調整となるがそのあたり県による認識に違いがあるのかどうかも興味深いところではある。 ちなみに「蔵王山」は山の総称であり、個々のピークには熊野岳、刈田岳、地蔵岳など個別の名前がついている。 これもまた山岳名称の難しさである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.07.01 12:06:23
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