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2017.07.09
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カテゴリ:GIS
見て学ぶ格差 65万人分のビッグデータ活用 静岡県、健診結果を地図に(毎日新聞)

静岡県が約65万人分の健康診断の結果を統合したビッグデータを分析し、9月から小学校の教材として活用する方針を決めた。地域ごとの「健康格差」を地図にして可視化。文部科学省によると、学校現場でビッグデータを応用した健康教育は初の試み。


バラバラに保管されているデータを垣根を越えて統合するというのは、オープンデータとしてさまざまな素材を公開する静岡県らしい先進的な取り組みといえる。
その一方で、教育の現場で使うのは色々と難しい部分もあるのではという印象。

「健康教育」がテーマということで、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を予防するという観点というのはわかる。
ただ、それを単純に東西対比で模式化することにどれだけの効果があるのかはちょっと微妙。
「東の人はもう少し気をつけようね」「西の人はこのまま頑張ってね」というところがいいところなのではないか。
それであればむしろ個人個人にあった指導をする方が予防になるように思うのだが。

データの読み方や分析も果たしてこれでいいのか疑問が残る。
「東部の人はコロッケやチャーハンなど油っぽいものを多く食べ、西部ではサラダや肉じゃがなど野菜や煮物を多く摂取している」ことがそのまま結果につながっていると見ていいのか(個人的には餃子を消費する浜松市が低いところに興味があるのだが)。

また、「東部は公共交通機関が少ないため移動は自家用車に頼りがちで、歩く機会が少ない」というのもエビデンスに欠けているように感じる。
感覚的には伊豆半島の西側を除けば東西でそれほど交通機関に差があるようには思えないのだが。
せっかくデータを使うのであれば、その点も別のデータを充ててきちんと示した方がいいし、そのためにGISがあるのだが。

もちろんビッグデータを教育現場で使うこと自体はいいことだと思う。
ただ、使うのであればむしろビッグデータの見方や分析も含めた使い方そのものを学んだ方がいいのではないか。
この例で言えば、なぜ地域差が生じるのかを考えさせる方が効果がありそう。
流通が改善した現在は昔ほどではないにせよ、食べるものや生活スタイルに地域差があるのは当然のことで、それをこっちが正しいあっちが間違っているとは簡単に言い切ってしまうことはちょっと肯定しにくい。





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Last updated  2017.07.09 15:12:22
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