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<蔵王山>「ざん」か「さん」か…呼び名変更、自治体の合意困難に 宮城2町長が慎重姿勢(河北新報)
国土地理院に登録された蔵王山の呼び名を、「ざおうざん」から「ざおうさん」に変えるための関係自治体の合意は困難な見通しとなった。変更を目指す山形市の佐藤孝弘市長が25日、宮城県蔵王、川崎両町を訪ね、趣旨を説明したが、両町長は約90年前に当時の自治体が決めた経緯などを挙げ、慎重な姿勢を示した。 以前等ブログでも取り上げた<「蔵王山」は「ざおうさん」か「ざおうざん」か 山岳名称の難しさを考える>のその後の展開だが、やはり本文中で懸念したとおりの展開になってしまったようだ。 県レベルはもちろん、市町村レベルでも見解の違い(あるいは温度差)があるのは少し意外だった。 なかでも宮城県蔵王町の「60年以上校歌でうたわれている」というのはちょっと決定的。 加えて90年前に「ざおうざん」の記載の根拠となった陸軍陸地測量部(現国土地理院)の地名調書には両県の複数の自治体の首長の名前が記されており、両県である程度の合意を基に採用された経緯が読みとれる。 前回の記事にも書いたが、山や川は複数の県や市町村にまたがるケースが多いことから、両側で異なる呼び方をすることはたまさかある。 よく知られているのは信濃川が長野県内では千曲川と呼ばれているケースだろうか。 ちなみに河川法での正式名称は「信濃川(千曲川を含む。)」となっているため、日本一長い川は「信濃川」と認識されている。 川が県で名前を変えるのは相模川が山梨県では桂川と呼ばれている例など、珍しいことではない。 山名では北アルプスの白馬岳を富山県側で「大蓮華」と呼んでいるケースがわりと知られているが、現在地図上では白馬岳となっている。 今回の蔵王山のようにひとつの山名に別々の読み方があるというのは珍しいかも知れない。 自分の知っているところでは、四国の剣山(つるぎさん)を徳島県では「けんざん」と呼ぶ人が一定数いた(現在はわからない)。 自分の母は徳島県出身なのだが、子どもの頃親戚のおじさんが「けんざん」と呼んでいたせいもあり、自分の中ではずっと「けんざん」で刷り込まれていて、正式名称が「つるぎさん」と知った時はある週のカルチャーショックだった。 調べてみると「つるぎさん」が統一名称として定められたのは1963年のことらしい(奇しくも自分の生年でもある)。 それぞれの地域や人にそれぞれの思いがあるのは当然で、正式名称はそれとして、それぞれが慣れている呼び方を使用すればいいのではないかとは思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.27 01:27:58
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