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【仮店舗】鳥獣ギグ#

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うきぐも(昔の名はほっけ)

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カテゴリ:いまむかCD
私が昔から付き合いのあった女性との、ちょっといい話。

車の運転をしている私は、通常時とちがって口が悪くなるらしい。
というか、それはとっくに自覚していて、私なんぞは絶対に自動車の二種免許は取得無理なのではないかと思うくらいである。運転マナーの(悪さというより)横着さは日本一であろう愛知県に住んでいるとなおさらだ。と、自分のことは棚に上げるのも生粋の愛知県民である(静岡在住だけど・笑)。

特に信号待ちとか急な割り込みにカチンときて、ついて出る口癖が「クソーッ」である。あまりに連発するものだから、助手席の女性の声。

そんなにクソー、クソーと連発するもんじゃありません。
そんなにむかつくなら、「クソー」のかわりに
「ウンコー」と置き換えてごらんなさい。
なんだかむかつくことがバカらしく思えてくるから。


みなさんも想像していただきたい。

この世に「クソ」というコトバが存在しなかったら、みんな「ウンコ」というコトバに置き換えねばならない。具体的には目くそ鼻くそなんて、さしずめ「目ウンコ鼻ウンコ」だ。あるいは、馬券が取れなかったヒトがゴール板の前で「ウンコーッ!」とかいいながら馬券を投げ捨てるのである。あるいは帰省ラッシュの車の渋滞の列では、ドライバーみんな「ウンコ・・」のため息である。もちろん例外もあって、ほくそ笑むは「ほうんこ笑む」とはならないだろう。とにかく怒っていた自分がバカらしく思えてユル~い気分になる。

vics61086
TITLE :こいぬのうんち
NARRATION:斉藤由貴・金世媛(キム・セウォン)
RELEASE:2002/11/21
CD NUM :VICS61086
LABEL :VICTOR

ACQUISITION(入手容易度) :☆☆☆☆(通販で)
STUPIDITY (バカバカしさ):no stars
CURIOSITY (ヘンテコ度) :no stars

さて、うんこの話をしたのだからCDもそのテのものである。
しかもかわいくうんちだ。それも仔犬である。2006年も戌年だから、これでいい。

このCDは、東京生まれの韓国の作家、権正生(クォン・ジョンセン)氏が著した、1969年に本国の第一回キリスト教児童文学賞を受賞した作品が元になっている。1996年に再度子供向けの絵本用に新しく書き直されているが、日本語版のナレーションは、なんと(キリスト教徒ではない)斉藤由貴女史だ。関係ないけど。

内容を簡潔にまとめると、誰からも好かれない「うんち」だけど、きれいな花を咲かせるためにタンポポのこやしとなって力を貸す、というお話。

取るに足らない「こいぬのうんち」でも、花を咲かせられる。

すなわち、どんなに醜いもの役に立たなさそうなものでも、実際には周りの役に立っているのだということを教えてくれる、ありがたいお話なのである。

しかし、一つだけ気になるツッコみをさせてもらうなら、この「こいぬのうんち」は雨に溶けてタンポポの肥料になってしまうのであって、すなわち「いのち」を持った「うんち」がタンポポの中に取り込まれる、すなわち「死して尚尽くす」という"別の解"が隠されていると感じたのである。
なにが言いたいかというと、この童話は脳死者からの臓器移植是認というメッセージを勝手に感じ取ってしまったのである。ちなみに私自身が脳死になった場合はというと、「使えるトコ、ゼーンブ持ってって下さい」派だから、裏メッセージを深読みした時は、ハッとさせられた。

さてこのCDがリリースされたのが3年余り前のこと。「冬のそれがし」以前から童話の世界ではとっくに韓流がはじまっていたのである。まさに韓国おそるべしなのだが、その童話CDリリースからおよそ1年弱、こんなCDが発売される。

vics38001
オグちゃん本人かのようなこいぬのイラストが愛らしい。切り抜きジャケットもユニークだ。
右に寄り添うのが"うんち"くんだが、タイトルがないと何のキャラだか、さっぱりわからない(苦笑)。


TITLE :こいぬのうんち/こいぬのでよかった
ARTIST :小倉久寛/きんかん
RELEASE:2003/10/01
CD NUM :VICS38001
LABEL :VICTOR

ACQUISITION(入手容易度) :☆☆☆☆(通販で)
STUPIDITY (バカバカしさ):☆
CURIOSITY (ヘンテコ度) :☆☆

前段の同様をモチーフにしたCDである。歌うは嘉門達夫氏とのデュエット「小市民」以来のシングルとなった小倉久寛氏だ。プロデュースは三宅裕司氏で作詞も手がけている。詳細はこちらにゆずるが、三宅裕司氏からのコメントにちょっと疑問がある。
起承転結の4段落でまとめられているのは、劇団を率いる劇作家としての文章力によるところだろうからそれはいいとしても、第2段落から

「こいぬのうんち」という可愛くて楽しい題材を思いつき、

と改行するところで「へ?」と思うのだ。歌のCDは童謡のそれがリリースされてから10ヶ月以上の時間がある。そんな具体的な「こいぬのうんち」なんて題材を、思いつくものだろうか。
これは私の勝手な邪推だが、どう考えても「先に童謡の話を聞いて感動したから詞を書き起こした」としか思えない。改行したところで"偶然にも"とか書いてあればまだいいのだけど、なんとなく三宅氏の文章の不自然さに違和感を禁じえないのである。

さて、どーでもいいツッコみはそれくらいにして、2枚のCDについて簡単にレビューしよう。

1枚目の童謡は、本家ハングル版のナレーションも収録。劇伴のサウンドトラックも収録されている、それ以上でも以下でもない内容。「青春という名のラーメン」の女のコは母となり、我が子へ語りかけるような読み聞かせをしましたとさ・・、と茶化してはいけない。絵本朗読はこの作品が初回だったとのことで、歌以外で彼女を堪能できるというのはファンならたまらないハズである。

一方、2枚目。一曲目はCSアニメチャンネルの番組テーマソングにもなっており、小倉氏自身も"執事"として出演していたようである。その三拍子の牧歌的なオグちゃんの歌とともにカップリングされているのは、三宅氏率いる劇団所属の女性デュオ。こんなCDもリリースしているとは、私も知らなかった。タイトルが世紀末だ。
オグちゃんのトラックには素朴な味わいがあったけど、こちらはAメロがユニゾンだし、たいしたことないとタカをくくっていたが、大サビの「こいぬの~で~、よかった~~」のコーラスが意外なほどダイナミックで、不覚にも鳥肌が立ってしまった。成犬のだったら、もっとビックリしてたかもしれない。

この2枚のCD、通販やお取り寄せでの入手は比較的容易と思われる。今どきの童謡に飽き足らない韓流ファンのアナタなら、ぜひオサえておくべきである。

廃盤になってから、「クソーッ」と地団駄踏まないように。





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Last updated  Jan 31, 2006 06:52:21 AM
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