巷のヒット曲でなくとも、ムードは盛り上がる。
昨日の日記でも触れた山▼△郎さん。彼のあの歌を聴いていると「クリスマスやなぁ」というよりは「ああ、もう年末やん」という気がする。それはまるで、閉店前のスーパーやパチンコ屋で『蛍の光』が鳴り出すときの、「あぁ買い忘れがぁ!」「まだ確変残ってんのにぃ」みたいな“焦りホルモン”でも出てるような気分になるアレに近い。ちなみに蛍の光の3拍子バージョンは「別れのワルツ」と呼ばれ、有線にもチャンネルがあるのだ。話がそれたが、そんなわけで昨日投げたクリスマスソングはボーク(暴投)だったので、本当のイブの今日ぐらいはマジメにコレクションを紹介してみたい。それもストレートの“消える魔球”だ。 TITLE:Ballad CocktailARTIST:西司(にし つかさ)RELEASE:1991/12/04(たぶん廃盤)CD NUMBER:TECN30123ACQUISITION:☆☆STUPIDITY :☆CURIOSITY :☆☆当時これを予約する時にCDショップで、「サイジさん?」と逆に真顔で訊かれて面食らった経験があるが、それだけ無名だからしかたあるまい。そもそも彼の歌を知ったのは、公共広告機構のCMで「山野さんは、樹(き)のお医者さん・・」と紹介しているバックでかかっていた「ON THE WAY TO HOMETOWN」がきっかけである。ボーカルを一人多重録音するのは冒頭の山▼さんの作品にも見られるしそれらも好みなのだけど、彼も負けていない。当時同じレコード会社だったよしみかどうだか、あの故・三波春夫師と「佐渡おけさ」でコラボレートしているのは彼なのだ。詳細は西司さん自身のサイトにゆずるが(同ディスコグラフィーを参照)、和歌山出身ということで、郷里が同じこんなユニットとも共演しているし(当然w-indsではない)、仕事の裾野は思いもよらず広い。先述の一人多重録音による(開局当初から現在も使用されている)FM京都のジングルなども手がけていたりするので、私も公式サイトから着うた(R)をDLさせてもらったりもした。オケなしで着うたになる声の持ち主だから、ボーカルも趣がある。本作はバラードを中心としたクリスマス向コンセプトアルバムの趣向を保ちつつ、実はベストアルバムでもあったりするので、入手しにくいながらも「入門編」といえるアルバム。私は何百回となくCDプレーヤにこれを突っ込んでいる。当然ながらデートの小道具にも使ったが(苦笑)、M5「すぐそばにいる~I'm by yourside~」なんぞは、知人の結婚披露宴のBGMでキャンドルサービスにこっそり使わせていただいた。タイトルからしてコテコテのラブソングだと想起できそうなのだが、折りしも詞の世界と同じ12月の披露宴。詞の内容がハマって新郎新婦ばかりか、参席の赤の他人からもトイレに立った折に「何て曲?」と質問され、酔いも回ってるもんだから余計に上機嫌の私。「娘よ」「乾杯」なども悪くないけど、埋もれている(今回は“迷曲”でなくて)名曲を発掘するのをライフワークとしているほっけとしては、してやったり!と、この上ない悦びなのであった。先述のACの樹医さんのCM曲も、もちろん収録。オークションでも時折見かけるので、興味のある方はぜひ落札してみてはいかがだろうか。今日は終始マジめ。こうゆうレビューもあります。次の「いまむかCD」はトバしまっせ(笑)!