村上隆
実家で昔買った本を漁っていたところ、面白い事実に遭遇した。村上隆のHIROPON(母乳で縄跳びをする少女をモチーフにした奇形フィギュア。クリスティーズのオークションで4800万の値をつけて落札された)が岡田斗司夫の「オタク学入門」に出てくるのだ。1994年に岡田は村上からヒロポンちゃんを見せてもらったとある。へぇ~。そのとき岡田斗司夫が村上に言い放った感想が秀逸。「こりゃブッサイクですね~。どれくらい不細工かというと、まるで85年あたりに不動産屋が『いっちょ映像業界にでも進出するかぁ。まずアニメでも作るべ』とかいって、スカみたいなスタッフ集めて適当にでっち上げて発売したはいいけど、300本しか売れなかったアニメのキャラクターみたいにブッサイクです」岡田斗司夫は、村上がアニメの文脈を押さえていない、という指摘をしたのだ。しかし村上はそれを自覚しているようでいて、大笑いで応えたそうだ。たしかにオタクの好むコンテキストと村上隆は相容れないものがある。しかし、数年を経て村上隆は世界で大いに評価されるに至ったのだ。