chocolate babe

明日、婚約ﾊﾟｰﾃｨが待っているｷﾘ妹。しかしながらﾀﾞﾃﾞｨに一度も婚約者を紹介した事がない。

ま、ﾎﾞﾝｺﾞ女性にとって、父に彼氏やら婚約者やらを紹介するってのはこれまた大変なのですね。日本と同じなんだろうけど、父、なかなか娘に彼氏やらがいるという事を受け入れたくない、とられたくない、娘に食いつく奴はどんな奴だ、云々かんぬんとなるわけ。

ｷﾘ妹は大学の休みに入ってからすぐこっちに帰って来た。彼氏がこっちにいるからねー。それで即私に、『8月に何が何でも婚約ﾊﾟｰﾃｨするんだ。でもﾀﾞﾃﾞｨや兄が受け入れてくれないだろうし、どうしよ～!!』と言っていた。

どうやらｷﾘ妹と彼氏は付き合って6年らしい。彼氏はもう30代だし妹もこれ以上待つ意味はあるのか?と。結婚は大学卒業してからでいいし、ただ婚約をしておきたいんだって。

その後、着々とｷﾘ妹と彼氏は準備をしていたらしく…。ｷﾘ妹は一番上の兄にﾒｰﾙで『婚約する』と伝えたら、ｷﾘ兄、いつもならすぐ返事するくせに、少し時間を空けて『相手は誰なんだ???』と。知ってるくせにね。それで、ﾃﾝﾊﾟったのか、ｷﾘに送るはずの『おいっ、妹が婚約するらしいぜ。どうするんだよ!!俺はあいつの噂を知ってるんだぜ…、全くおかしな話だ…』というﾒｰﾙを妹に送ってしまったらしい。全く、男ってのは…。

それで兄もｷﾘに報告して、ｷﾘも気が気じゃないらしく、ふとした時に私に『妹の婚約の話だけどさぁ…』なーんて話してくるわけね。

それでｷﾘ妹はﾀﾞﾃﾞｨにも『婚約する予定なんだけど彼氏に会ってほしい』と言ったならば、ﾀﾞﾃﾞｨ、結婚がいかに苦痛であるか、まだ学生だから早すぎる、なーんていう理由をいくつか並べて、断固拒否したらしい。

それでも妹は我が道を行き、婚約ﾊﾟｰﾃｨの予定まで彼氏と計画してしまった。それが明日。

結局ﾀﾞﾃﾞｨも承諾するしかないような方向になって、『じゃあ明日婚約者を家に連れてきなさい』っていきなり昨日の夜、妹に告げたらしい。

ちなみにここﾎﾞﾝｺﾞでは、男は婚約する前に彼女の家に行って、所謂、父のお許しを得るﾌﾟﾛｾｽを踏まなければいけない。日本でも同じかな??

それでついに今日。女の子達はお昼から料理の用意とかで忙しそう。ｷﾘ妹も2人友達を連れてきた。開催は18時。ﾀﾞﾃﾞｨも牧師さんを連れて18時前に帰宅。

私、ｷﾘ妹の部屋に呼ばれて行くと、妹はﾌｫｰﾏﾙな格好に着替えていて、『嗚呼、どうしよ～。すっごい心配だわ～』ってﾅｰﾊﾞｽ。彼女はﾀﾞﾃﾞｨに呼ばれるまで部屋で待機らしい。

それから私はﾀﾞﾃﾞｨのいるﾘﾋﾞﾝｸﾞに行って挨拶しに行く。電気なかったから暗くてﾀﾞﾃﾞｨしか見えなかったんだけど、実は私は妹の彼氏に去年会っていて、知ってるはずだけど全然誰が誰だか分からず。ちなみに3人男がいて、そのうちの一人が彼氏に違いない。

とりあえず『お元気ですか?』と3人に目上の人に使う挨拶をしたならば、ｼｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰﾝ。　

し、しまった…。どうやらそんな挨拶をするべきではなかったらすぃ。助けを求めるべきﾀﾞﾃﾞｨの顔を見たならば、ﾀﾞﾃﾞｨもどうやらﾅｰﾊﾞｽになってるのか、顔はちょっと硬直してるし、話し相手が欲しいかのようにｸﾞﾙｸﾞﾙしゃべりだした。

どうやらﾀﾞﾃﾞｨ側の牧師さんと、彼氏と彼氏の友達2人がいた。ﾀﾞﾃﾞｨ、どうやら私が初めて彼氏に会うと思っているらしく、私も『初めまして』なーんて挨拶。ちなみに妹の彼氏は3人の中の真ん中でした。

それから約30分後、ｷﾘが帰ってきて、ﾀﾞﾃﾞｨ、ｷﾘに今度は助け舟を出したのか、ｷﾘがﾘﾋﾞﾝｸﾞに行ったならば、ﾀﾞﾃﾞｨもどうやら落ち着いたらしい。

電気もようやく戻ってきて、ﾀﾞﾃﾞｨが妹を呼ぶ。私も少ししてﾘﾋﾞﾝｸﾞに行って一緒に座って見ていた。う～ん、彼氏、ﾋﾟﾝｸのｼｬﾂにｱｲﾛﾝがしっかりかかってて、靴もﾋﾟｶﾋﾟｶ、とってもｷﾚｲにしている。でも笑うと不細工。こんな人だったっけ???

この会???ではﾀﾞﾃﾞｨがいくつかの質問をするらしい。ｽﾜﾋﾘ語でしゃべってるから何いってんのか分からないけど、後で聞くとどうやら質問というか『大学を卒業するまで結婚は待ちなさい』ってな事を言っていたらしい。それで彼氏その他友達も納得。それから牧師さんも何だか言って、みんな一致団結したならばﾀﾞﾃﾞｨ『OK』と。婚約のお許しを得たわけです。

私とｷﾘはちょっと勘違いしていて、実は婚約ﾊﾟｰﾃｨだと思ってたのね。だからｶｰﾈｰｼｮﾝの花束とｶｰﾄﾞを用意してしまったわけ。どうやらこっちのしきたりでは婚約時は何もﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを用意しなくていいみたいだけど。

それでそのﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを二人に渡して、その後お祈りがあって、みんなで握手。それから食事となったのね～。

まぁﾀﾞﾃﾞｨはなんていうか、反対しても仕方ないし、心の中では葛藤していてもしょうがないってな感じだよね。

でも私はこの貴重なﾌﾟﾛｾｽが見れて何だかおもしろかった～。