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シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

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カテゴリ:松竹映画

勝新太郎の”座頭市”にどれほど近づけるだろうかと言う目でみたが、この作品は見事たけし流に変貌していた。圧巻はなんといってもラストの群舞だ。下駄でタップを踏むシーンがこれほど心地良いものだとは思わなかった。

たけしの居合いも中々見応えのある殺陣になっていた。才人たけしの面目躍如たるものがある。最後まで見る者を飽きさせないドラマ作りは立派なもの。一見の価値は充分すぎるほどだ。

ある宿場町に現れた、金髪頭に朱塗りの杖を持った盲目の按摩・座頭の市(ビートたけし)。居合の達人でもある彼は、そこで知り合った博打好きの新吉(ガダルカナル・タカ)やその叔母で野菜売りのおうめ(大楠道代)から、町民を苦しめるヤクザ・銀蔵(岸部一徳)一家の悪行の限りを聞かされる。

更に、流しの芸者に身をやつし、両親の命と財産を奪った“くちなわの親分”を探す旅を続ける姉弟・おきぬ(大家由祐子)とおせい(橘大五郎)の仇が銀蔵たちであると知った市は、彼らの為に一肌脱ぐことを決意。銀蔵とともに暴利を貪る扇屋、そして病身の妻の薬代を稼ぐ為に用心棒として雇われた浪人・服部源之助(浅野忠信)と戦う。源之助と市の決闘は一瞬で決まる。かくして一家は壊滅する。

こうして、平和が戻ったかに見えた宿場町。だが、市はくちなわの親分が飲み屋の雇われ爺さんを装っていたことを、見抜いていた。町民が祭りで盛り上がる中、飲み屋に押し入った市は、実は市が盲目ではないことを見破っていたくちなわの親分(柄本明)の目だけを斬り、「誰が殺すか」と言う。死ぬまで盲目で暮らせと言うことだ。町を後にして歩きさる市。祭りが賑やかに続く・・・。

と、市が石にけつまづく。最後のオチが振るっている。
「いくら目ん玉ひん剥いても、見えねえモンは見えねえんだけどなぁ」

2003年 松竹=オフィス北野 監督 北野武  出演 ビートたけし 浅野忠信 橘大五郎
大楠道代 夏川結衣 ガダルカナル・タカ 大家由祐子 岸部一徳 石倉三郎 柄本明

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Last updated  2007.06.09 16:53:37
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