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カテゴリ:アメリカ ・ 喜劇
これは確か高校生の時に見た映画で、リズの美しさに圧倒された記憶がある。リズの花嫁姿は絶品であった。 永遠の美女、エリザベス・テーラーの10代とは思えぬ美しさと、オスカー俳優スペンサー・トレイシーの名演が、花嫁と父親の複雑な心境を、絶妙なおもしろさと独特の切なさで見せてくれる。監督は「巴里のアメリカ人」のヴィセント・ミネリ。 娘のケイ(エリザベス・テイラー)を新婚旅行に送り出して、弁護士のスタンリー・バンクス(スペンサー・トレイシー)は披露宴の残骸の中へがっくり身を落としていた。 ケイが、バクリー・ダンスタン(ドン・テイラー)という青年と結婚したいと両親を驚かしたのは、何ヵ月前のことだったか。妻(ジョーン・ベネット)は落ち着き払っていたが、スタンリーはダンスタン家が立派な名門であり、バクリーがなかなかしっかりした青年であることを知るまでは、オチオチ眠れもしなかった。 晴れて2人の婚約がすむと、スタンリーの頭痛の種は結婚費用。なるべく式も内輪にすませたい彼の意志に反して、妻や娘は一生の願いとして教会で盛大な式を挙げたがった。いっそ、娘が男と駈け落ちしてくれた方が、まだ安くつくではないか。私も一人娘を嫁にやった一人として思うのだが、本当に真剣に駆け落ちを願ったものである。 「俺を破産させるつもりか!」とスタンリーは妻に向かって喚く。 「あなた、女の子が花嫁衣裳を着て結婚出来るのは一生に一度しかないのよ、一度だけ」 と妻はやんわりと諭す。 ようやく教会の式も決まり、披露宴招待の人数も折り合って、知人から続々と贈物が届くようになった頃、ケイは突然破談にしてくれと言い出した。新婚旅行の行き先について、バクリーと他愛ない喧嘩を始めたのである。所が親父が仲裁に乗り出す間もなく、若い2人はケロリと仲直りしてスタンリーに背負い投げを食わせる始末。式の予行練習も済み、スタンリーは眠られぬ結婚式前夜を過ごした。 晴れの式では、ケイは堂々たる花嫁ぶりで、逆上した親父を圧倒し去った。知人たちがただのシャンパンを飲みに集まる披露宴の混雑で、スタンリーは遂に去り行く娘に言葉をかけてやる暇さえなかった。 もの想いに沈むそのスタンリーに、その時電話がかかってきた。駅からケイが父親に送る最後の「おやすみ」だった。スタンリーは、晴れ晴れと妻を抱いて古い恋歌のレコードをかけながら踊り始めた。この最後の踊りが何ともいい。余韻たっぷりでほのぼのとしたものを感じる。 1950年 アメリカ・モノクロ 監督 ビンセント・ミネリ 出演 エリザベス・テーラー、スペンサー・トレイシー、ジョーン・ベネット、ドン・テーラー ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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