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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
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「明治天皇と日露大戦争」「天皇・皇后と日清戦争」に続く、天皇3部作の完結編「明治大帝と乃木将軍」。さすがに新東宝の社長だった大蔵貢が総力を挙げて製作した作品だけに見応えのあるものに仕上がっていた。 日本の今を考察する上でこの天皇3部作は一度は見ておく価値があろうかと私は思う。アナクロといわないで欲しい。ここに描かれているのは日本人の魂であろうから。 日露関係が風雲急を告げていた明治三十七年一月、明治大帝の苦心の打開策にもロシヤは一向に誠意を見せず、逆に旅順に難攻不落を誇る要塞を築き、名将ステッセルをそこに送ってきた。 そのころ、乃木将軍は那須野ヶ原で百姓仕事をしていたが、西南の役で軍旗を奪われた罪をとがめなかった大帝の恩に報いようと非常時に備えていた。 ついに宣戦布告。朝鮮から満州へと進撃した日本軍は戦争の勝敗を左右する旅順攻撃へと向った。その任に当ったのは、大帝じきじきのお言葉で当時近衛師団長の乃木将軍だった。 まず港口を封鎖し八月十九日から第一回総攻撃の実施となった。が、それに先立つ御前会議で、要塞内部にいる婦女子を戦禍から免れさせるようにとの決定があり、そのため攻撃はさらに困難となった。それにロシヤ軍は新兵器・機関砲を使った。 第一回総攻撃は一万五千の犠牲者を出して失敗。兵員を補充して新たな攻撃を試みたが、戦線は膠着状態になる。乃木更迭の声が高まり、乃木家は罵声を浴び、ガラス戸は割られ石が舞い込んだ。しかし将軍を信ずる大帝は許さなかった。 そして数カ月、旅順は陥落、海軍の勝利とともに戦いは終った。講和条約なって宮中に参内した乃木将軍は作戦指導の拙さを大帝に謝した。しかし実情を知る大帝はかえって労をねぎらった。 「乃木、死ぬなよ」 大帝の言葉に乃木は泣いた。 戦争が終っても大帝の将軍に対する信頼は変らず、学習院の院長に任命した。やがて、大帝が病に倒れ、永眠した。寝食を忘れ、大帝に仕えていた将軍の悲嘆は大きかった。大帝崩御の後この世に生きる意義を失った将軍は、夫人ともども、その後を追って自刃したのである。 要所に挿入される詩吟はどうかと思ったが、これは見解の相違ちうものか。 1959年 新東宝・カラー 監督 小森白 出演 嵐寛壽郎 高倉みゆき 林寛 村瀬幸子 片岡彦三郎 和田桂之助 細川俊夫 沼田曜一 ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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