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女の幸せは何で決まるのだろう。移ろいやすい愛に賭けるのが、幸せを掴む道なのだろうか。結婚は単なる入り口に過ぎないのだが、その回答の1つがここにあると私は思う。 19世紀初頭のイギリス。イングランド南西部のサセックス州にある私園"ノーランド・パーク"を構えるダッシュウッド家の主ヘンリーが逝去した。唯一の頼りであった主人を失い途方に暮れるヘンリーの妻と3人の娘。 死の床でヘンリーは、先妻との息子ジョンに、妻と3人の娘の面倒を見てもらう代わりに私園を含めた全財産を与えるという遺言を残す。当時の法律では男性しか相続を許されていなかったのだ。その遺言はジョンの妻ファニーに反故にされた。 ファニーはノーランド・パークに乗り込み主人風を吹かせる。分別ある長女エリノア(エマ・トンプソン)は礼を尽くすが、多感な次女のマリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)はあからさまに嫌悪し、おてんばな三女マーガレット(エミリー・フランソワ)は隠れているばかり。 そんな折り、ファニーの弟エドワード・フェラース(ヒュー・グラント)がパークを訪れて来る。礼儀正しく控え目な彼にエリノアはひかれ、二人はやがて親密な仲になる。 二人の結婚を夢見たダッシュウッド夫人だったが、ファニーは「貧乏娘が金持ちにたかろうとしている」と彼女を侮辱。怒った夫人は従兄のジョン・ミドルトン卿(ロバート・バーティ)の申し出を受け、彼の小さな別荘バートン・コテージに引っ越すことを決めた。 バートン・パークでジョン卿とその義母ジェニングス夫人(エリザベス・スプリッグス)の歓待を受けた母娘は、つましい生活をはじめる。そこへジョン卿の親友で隣人のブランドン大佐(アラン・リックマン)が来訪。大佐はマリアンヌに会うや一目で彼女を愛するようになる。 ところがその矢先、魅力的な紳士ジョン・ウィロビー(グレッグ・ワイズ)が現れマリアンヌは彼の虜になる。一方、エリノアはエドワードがコテージを訪れるのを待ったが、待ちぼうけ。 ある日、ブランドン大佐が一家をピクニックに招待した日、大佐は急な知らせを受けて、慌ただしくロンドンへ。ウィロビーはマリアンヌに明日重要な話をすると語り、皆はプロポーズを期待したが、翌日、ウィロビーは理由を言わず、資産家の叔母レディー・アレンの言いつけでロンドンに戻ると言って逃げるように去った。 エリノアはジェニングス夫人の姪、ルーシー・スティール(イモジェン・スタップス)に、自分は5年前からエドワードの婚約者だと打ち明け、秘密を守ることを約束させられた。 沈む姉妹をジェニングス夫人がロンドンに招待。ところがロンドンに着いても、マリアンヌの再三の手紙にもかかわらず、ウィロビーから返事はない。姉妹は舞踏会でウィロビーに再会。しかし彼はマリアンヌによそよそしいばかりか別の貴婦人の方へ歩み去る。エリノアもジェニングス夫人のお膳立てでエドワードに会えるはずが、ファニーが連れて来たのは末の弟のロバートだった。 マリアンヌはウィロビーからの別れの手紙で、彼が持参金つきの娘と結婚すると知って絶望の淵に。彼女の身が心配なエリノアは、帰郷するためブランドン大佐に助けを求めた。大佐はエリノアに驚くべき事実を話す。大佐には亡くなった恋人の私生児ベスがおり、何と彼女はウィロビーの子を妊娠したというのだ。これで彼は叔母の遺産の相続権を失い、マリアンヌを諦め、財産ある娘との結婚を決めたのだ。エリノアはすべてをマリアンヌに伝えた。 夢見心地のルーシーは、ファニーに意中の人を告白。ところがファニーは逆上、「性悪女!」とルーシーを追い出す。ジェニングス夫人はエドワードが母親の命令であるルーシーとの婚約破棄を拒否したため、財産の相続権を失ったというニュースを姉妹に伝える。エリノアが二人の婚約を知っていたことを姉の表情からマリアンヌは直感。辛い思いを初めてエリノアは打ち明ける。 一方、ブランドン大佐はエドワードの苦境を知って、自分の領地の提供を申し出、頼まれたエリノアは辛さを隠して、エドワードに大佐の言葉を伝える。やがて二人は帰郷の途に。パーマー夫妻の屋敷に滞在中、マリアンヌはウィロビー邸をのぞむ丘で悲しみに浸る。嵐に打たれ、倒れていた彼女を見つけたのは大佐だった。 重い流感にかかったマリアンヌを必死で看病するエリノア。大佐はいてもたってもいられず、エリノアの頼みでダッシュウッド夫人を連れに行く。マリアンヌの命は風前の灯火だ。 「マリアンヌ、一人で逝かないで。お願い、愛してるわ。お願い、私を一人にしないで!」 マリアンヌに取りすがるエリノア。 ようやくマリアンヌは一命をとりとめ、苦しい息で大佐に初めて礼を言う。 春。健康を回復したマリアンヌの傍らには、いつも彼女に愛情を注ぐ大佐がいた。そこへ突然、エドワードがやって来る。結婚の噂を聞いていた一家はエドワードに新婚生活をたずねる。ところが驚いたことに、エドワードはまだ結婚していなかった。ルーシーはロバートに愛を移して、彼と結婚したのだ。あまりのことにすすり泣くエリノアに、エドワードははじめて愛を告白した……そしてそれから間もなくーー。 過酷な運命に翻弄されながらも真実の愛を求める女達の成長を、アン・リー監督が見事に描いた作品。ベルリン映画祭金熊賞を受賞したこの映画の製作総指揮は「追憶」「愛と哀しみの果て」の名匠シドニー・ポラック。脚本も手がけた主演のエマ・トンプソンをはじめ、ヒュー・グラント、ケイト・ウィンスレット他、キャスティングも豪華な顔ぶれを揃えた、ロマンス溢れる感動作である。この映画で愛の素晴らしさを堪能して下さい。 1995年 アメリカ・カラー 監督 アン・リー 出演者 エマ・トンプソン アラン・リックマン ケイト・ウィンスレット ヒュー・グラント ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.21 13:38:05
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