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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:松竹映画
これは岡本喜八監督が作り上げた絶妙のウエスターンだ。日活製の無国籍西部劇とは違う確かなウエスターンである。それも侍の真田が活躍すると言う時代劇と西部劇の融合を試みた喜八流の作品だ。楽しませてくれること請け合いである。 岡本監督10年越しの企画だそうで、幕末の日本人武士と忍者が、アメリカ西部を舞台に大活躍。 万延元年(1860年)、日米修好使節団の護衛艦としてサンフランシスコに到着した咸臨丸には、重大な使命と野心を抱いた二人の男が乗り込んでいた。 通弁見習いの上條健吉(真田広之)は、実は攘夷派の急先鋒・水戸の脱藩浪士で、開国派の井伊大老が派遣した使節団のメンバーを暗殺し条約を阻止するのが目的。勝麟太郎艦長(仲代達矢)の下僕として乗船した為次郎(竹中直人)は、実は軍艦奉行・木村摂津守が雇ったお庭番、つまり“忍術使い”だった。 咸臨丸がサンフランシスコに到着し、その記念式典で賑わう最中に、咸臨丸から運び出された三千両の小判を狙って、強盗のガス・テイラー一味が銀行に押し入った。たまたま砂金の換金に来ていた山師親子の父親は巻き込まれて射殺され、小判を運んでいた為次郎らは殴り倒された。 上條は隙を見て反撃したが、結局三千両は強奪されてしまう。父親の敵討ちを誓う少年サム(スコット・バッチッチャー)とともに上條は強盗一味の後を追う。三千両を持ち去られ、刺客と勘づいていた上條をも見失った為次郎は、甲賀忍者のメンツにかけ、一カ月の期限付きで追跡の旅に出ることになった。 誤って捕らえられた牢獄で、為次郎はクロウ族の娘ナンタイ(アンジェリック・ローム) と意気投合し、さらにはサンフランシスコ保安官助手のバッジを与えられ、改めて彼女を連れて出発する。 上條は、サムに暴力教師ハーディを助太刀に紹介され、彼の生徒たちも交えて、ガスのいるニューメキシコの鉱山町・ユニコーンへ向かった。途中、上條は為次郎と合流し、この場は協力するという話がまとまって、ユニコーンで強盗たちを見つけだす。 酒場でハーディが撃たれたのをきっかけに、激しい銃撃戦の火蓋は切って落とされた。ハーディに致命傷を負わせたキトーを上條が殺し、逃げていくガスを見つけたサムは、上條に習った剣術で父の仇を討った。 三千両を取り返した為次郎とナンタイはさっそく返還に向かう。街では、ハーディの葬式が英雄を称えるように行われていた。上條は任務を果たすためワシントンを目指すが、ふと後方を振り返ると、そこにはサムがいた。 「今度はジョーの助太刀に行くよ」 まるで親子のように仲良く轡を並べて歩んでいく二人。 時は流れ、インディアンの大酋長となった為次郎は、ナンタイと彼が育んだ大家族たちに見届けられ、何と134歳まで生きたのだ。 娯楽映画としても一級品の仕上がりだ。佐藤勝さんの音楽も中々のもの。余談だが佐藤さんとは日活時代によく一緒に仕事をさせていただいた。 1995年 松竹・カラー 監督: 岡本喜八 出演 真田広之 岸部一徳 竹中直人 スコット・バッチッチャ アンジェリック・ローム ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.26 12:31:46
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