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カテゴリ:東宝映画
隠し砦の三悪人〈普及版〉(DVD) ◆20%OFF! 世は戦国時代、隣国の山名家に敗れた秋月家の大将・真壁六郎太(三船敏郎)は、世継ぎの雪姫(上原美佐)と共に隠し砦にこもっていた。彼は、お家再興のために姫を連れて同盟国の早川領へと脱出しようと計画、砦近くの沢で出合った二人の強欲な農民を利用し、早川領へと脱出を図るが…。 その1: 練りに練り上げたシナリオが名作に仕上げた 黒澤監督も参加して練りに練り上げた脚本を、スピーディーな展開で見事に映像化している。映像化する前に生み出される設計書、それがシナリオである。優れたシナリオから名作は生まれてもつまらないシナリオから傑作が生まれた試しはない。 脚本は、菊島隆三・小国英雄・橋本忍・黒澤明の合作。いずれも名シナリオライターがコンビを組むのだから面白くならない筈がない。 シナリオが出来上がると黒澤監督は必ず絵コンテを描く。それがまた見事な出来栄えなのだ。これを各部門のスタッフに見せて内容を掴ませるのだ。かくして黒澤作品は世に出て行くのである。 その2: 黒澤監督お得意の大胆な構図と心躍るアクション 全編にみなぎるダイナミズムと強い緊張感、黒澤監督の傑作アクションはのんびりとは見せてくれない。いつの間にか手に汗を握り、時代劇であろうと現代劇であろうと映画の虜になっている。世界のクロサワと云われる所以である。 クロサワ天皇と呼ばれることもあり、完全主義を貫くのがクロサワだ、と評判になったようだが、巨匠と云われる監督は大抵完全主義者だ。日活ではイマヘイさんしかり、浦山氏もその一人だったと思う。 その3: 百姓二人の珍コンビが何とも面白い 太平(千秋実)・又七(藤原釜足)の珍コンビは絶妙の味を出している。仲良く歩いていたかと思うと薪の中から黄金を見つけた途端、つかみ合いの喧嘩を始めるという強欲を絵に描いたような人物。この二人の絡みが作品をより面白く仕立て上げている。 早川領への国境は警護が固かったから、一度山名領へ入り、敵地を通って早川領へ抜けるより道はない。六郎太は雪姫を唖にしたて、太平・又七とともに砦を後にする。国境の関所で、六郎太は背中の薪を一本引抜き山で拾ったと訴え、黄金を見て騒ぎ出したその際に関所を通過。木賃宿で一夜を明かした六郎太は、姫の願いで、人買いに買われて行く秋月の百姓娘を救った。 デビューし、わずか9作で引退した雪姫役・上原美佐は凛とした美しさだ その4: 武士の情けが六郎太と雪姫を救う??? 騎馬武者に発見された六郎太の前に、山名の侍大将・田所兵衛が立ちふさがった。激闘数合、兵衛は六郎太の槍を太腿に受けた。 「わしの負けだ。命を取れ!」 首をさしのべる兵衛を残し、六郎太は馬にとび乗った。 山名の山狩りで捕まった雪姫と六郎太は、山名と早川の国境にある関所の牢の中で最後を待っていた。そこに現われたのが兵衛だ。六郎太に不覚をとったため、主君に弓杖で打たれたという。姫・六郎太・百姓娘の三人は、縛られたまま馬にのせられて曳き出された。 兵衛が手の鞭で馬の尻を叩く。と、躍り上がった馬は早川に向かって走り出す。そして兵衛も後を追う。 「裏切ったんじゃない、表返ったのだ!!」 その5: 黒澤作品から大きな影響を受けている世界の映画人 ジョージ・ルーカス監督が本作から「スター・ウォーズ」のヒントを得たという話はあまりにも有名だ。「七人の侍」が「荒野の七人」になり、「用心棒」は・・・ご存知ですよね。 1958年 東宝・モノクロ 監督 黒澤明 出演 三船敏郎、上原美佐、千秋実、藤原釜足、藤田進、志村喬、三好栄子 ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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