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カテゴリ:東宝映画
ある刑事の10余年間に渡る人生の軌跡を通して、男女の出会いと別れを描いた高倉健の秀作。 その1: 別れの場面が最初に出るのは 珍しい --1967年1月 直子-- その日、警察官の英次(高倉健)は雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子(いしだあゆみ)と、四歳になる息子義高に別れを告げた。離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼するが、その目には涙が溢れていた。 「たった1回の過ちじゃねえのか、忘れてやるわけにゃあ、いかねえのか」 一緒に見送りに来た英次の上司、相馬(大滝秀治)がいう。でも、英次には許せなかったのだ。 苛酷な仕事と、オリンピックの射撃選手に選ばれ合宿生活が続いていたことも原因であった。 英次の上司、相馬が連続警察官射殺犯“指名22号”に射殺された。中川警視の「お前には日本人全ての期待がわかっている」との言葉に、犯人を追跡したい英次の願いは聞き入れられなかった。 テレビが東京オリンピック三位の円谷幸吉の自殺を報じていた。「これ以上走れない……」英次にその気持が痛いほどわかった。 そも2: 狙撃の名手である英次は・・・ --1976年6月 すず子-- 英次の妹、冬子(古手川祐子)が、愛する義二(小松政夫)とではなく、伯父の勧めた見合の相手と結婚した。英次は、妹の心にとまどいを覚え、義二は結婚式の夜に荒れた。 その頃、英次はオリンピック強化コーチのかたわら、赤いミニスカートの女だけを狙う通り魔を追っていた。増毛駅前の風侍食堂につとめる吉松すず子(烏丸せつこ)の兄、五郎(根津甚八)が犯人として浮かんだ。 すず子を尾行する英次のもとへ、コーチ解任の知らせが届く。スパルタ訓練に耐えられなくなった選手たちの造反によるものである。すず子はチンピラの雪夫の子を堕すが、彼が好きだった。だが、雪夫にとって、すず子は欲望のハケロでしかなく、英次が警察官と知ると協力を申し出る。 雪夫は結婚を口実にすず子を口説いた。すず子は、刑事たちの張り込みに気づいていながらも、愛する雪夫を兄に会わせたく、隠れている町へ案内する。そして、英次の前に五郎が現れたとき・・・。 その3: 出逢いと別れが再び・・・ --1979年12月 桐子-- 英次のもとに旭川刑務所の吉松五郎から、刑の執行を知らせる手紙が届いた。四年の間、差し入れを続けていた英次への感謝の手紙でもあった。 英次は故郷の雄冬に帰ろうと、連絡船の出る増毛駅に降りた。風待食堂では相変らず、すず子が働いていた。雪夫は結婚したらしく、妻と子を連れてすず子の前を通り過ぎて行く。 連絡線の欠航で所在無い英次は、赤提灯「桐子」に入った。女手一つで切り盛りする桐子(倍賞千恵子)の店だが、暮の三十日なのに客は一人もいない。テレビでは八代亜紀の「舟唄」が流れている。「この唄好きなのよ」と桐子は咳く。 「あんたも処女なの?」 ケロッと英次に聞く桐子に英次は唖然として答える。 「冗談じゃねえぜ。そんな訳ねえだろう」 自分と同じく孤独の影を背負う桐子に、いつしか惹かれる英次。大晦日、二人は留萌で映画を観た。肩を寄せ合って歩く二人が結ばれるのに時間はかからなかった。 英次は、初詣の途中、桐子を見つめる一人の男に気づく。英次が雄冬に帰りついたのは、元旦も終ろうとしている頃だ。そこで、十三年ぶりに電話をかけて直子の声を聞いた。池袋のバーでホステスをしているという。 雄冬の帰り、桐子は、札幌へ帰る英次を見送りに来ていた。その時、“指名22号”のタレ込みがあり、英次は増毛に戻った。 手配写真と、桐子を見つめていた男の顔が英次の頭の中でダブル。桐子のアパートで22号は、英次の拳銃で撃ち殺された。警察に通報しながら22号をかくまっていた桐子。札幌に戻る前、英次は桐子を訪ねた。英次に背を向け「舟唄」を聞き入る彼女の顔に涙が流れていた・・・。 飲み屋で高倉健と倍賞千恵子が、寄り添って紅白歌合戦をテレビで見るシーンは何ともいえない情感溢れる場面だ。八代亜紀の”舟歌”がまたいい。 1981年 東宝・カラー 監督 降旗康男 出演 高倉健 いしだあゆみ 倍賞千恵子 古手川祐子 名古屋章 大滝秀治 池部良 寺田農 烏丸せつこ 根津甚八 ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ 新しい年、本年もどうぞよろしくお願い致します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.23 21:05:17
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