|
テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:アメリカ ・ アクション
禁酒法時代のアメリカ。西部の町・ジェリコでは、アイルランド系とイタリア系の2大マフィアが闘争を繰り返し、辺りは無法地帯と化していた。ある日、その町にジョン・スミスという男がやって来た。彼は町に入るなりギャングに言い掛かりをつけられ、車を壊されてしまう。怒ったスミスは二丁拳銃の早撃ちで、ギャングを血祭りに上げる。 そうと知ったイタリア系組織のボス、ストロッジとアイルランド系組織のボス、ドイルは、互いにスミスを自分たちの仲間に引き入れようと画策。スミスは高値で自分を売り込む。スミスの狙いは・・・。 その1: 黒澤明の名作「用心棒」のハリウッド・リメイク 対立する二組のギャング組織の抗争の渦中に飛び込んだ男の活躍を描くアクション映画。黒澤明監督、三船敏郎主演による時代劇の名作「用心棒」(61)を、禁酒法時代の西部の町に舞台を置き換えて忠実にリメイクした作品である。 「48時間」などアクション映画を得意とするウォルター・ヒルの監督、主演は「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリス、共演には「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のクリストファー・ウォーケン、「グラスハウス」のブルース・ダーンなど豪華な顔触れ。 息をもつかせぬスリリングな展開にウィリスの鮮やかなガンさばき・・・。翻案物としてはよく出来た方だろう。しかし人間描写のこまやかさは黒沢作品が遥かに上であろうか。 タイトルバックにスミスの声がかぶる。 『おかしなもんで、どんな悪党の人生にも善と悪の別れ道がくる。どちらかを選ぶ訳だが、善を選べば誇りは取り戻せる。だが、悪を選べば心は死んだも同然だ』 荒涼とした西部の町ジェリコ。この町に立ち寄った正体不明の男ジョン・スミス(ブルース・ウィリス)は、偶然見かけた美しい女、フェリーナ(カリーナ・ロンバード)に心を奪われる。 この町はアイルランド系のボスのドイル(デイヴィッド・パトリック・ケリー)と、イタリア系のボスのストロッジ(ネッド・アイゼンバーグ)に率いられた2組のギャングが縄張り争いで対立していた。 悪徳保安官のエドは賄賂を貰い、やりたい放題にさせている。金になると踏んだスミスは早速動き出す。 自分の車を壊したストロッジの手下をあっさり血祭りに上げるスミス。その腕前を買ったストロッジは、用心棒として彼を雇う。 だが、スミスの真意はストロッジの情婦ルーシー(アレクサンドラ・パワーズ)に近づき、町の内部事情を探ることだった。 一方、ドイルもまたスミスの腕を買い、さらに高い報酬で彼を雇おうとする。ドイルには用心棒としてマシンガンの名手ヒッキー(クリストファー・ウォーケン)がいた。 ドイルに寝返ったスミスは、聖女フェリーナに廃墟の教会で再会する。 「どうしてドイルみたいなヤツの女に?」 「1年前、夫が賭けでドイルに負けたの。私を獲られて夫はメキシコへ帰って行ったわ。自分を恥じて」 と、置いてある娘の写真を見つめる。 「ドイルは私と娘まで引き離したわ。私に出来ることは、祈ることだけ」 スミスは彼女をメキシコに逃がしてやる。一方、密輸酒の取引に端を発したドイルとストロッジの抗争は一気にエスカレートしていく。 その2: ヒッキー役と仲代の不気味さの相違は??? 最初は間をうまく立ち回ったはずのスミスだったが、ヒッキーたちのリンチで半死半生の目に遇う。 攻勢に転じたドイル一味はストロッジの屋敷に火をつけ、屋敷ごと丸焼き、出てくる男たちを皆殺しにし、街の支配権を手中にした。だが情婦を逃がしたスミスの死体は出て来ない。 スミスの心意気に惚れた悪徳保安官のエド(ブルース・ダーン)や酒場の主人に匿われ、英気を養うスミス。 スミスは敵地に赴くと、阿修羅の如くドイルたち一味を次々と倒してゆく。そしてドイルは酒場の主人が倒し、一人生き残ったヒッキーと対決、スミスはあっさりヒッキーを倒すのだった。 ヒッキーを演じたクリストファー・ウォーケンと仲代の不気味さは、仲代の方が上手だ。 その3; 銃とマシンガンの対決は・・・ スミスの早撃ちはマシンガン並みだ。弾奏を入れ替えながら撃つのは連発銃そこのけである。禁酒法時代にこんな拳銃があったのかはなはだ疑問だが。 ともかくこの東西対決は黒澤作品を追い越せなかったのは確かだろう。ブルース・ウィリスは、不死身の男を演じさせると流石である。 『俺の筋書きどうりにはいかなかった。一つだけ自信がある。殺す相手を間違えなかったことだ・・・。終わった、全てはここで始まり、ここで終わった。メキシコに向かう荒野の真ん中で・・・。おまけに金もない、だが、まだ何かある、それが人生だ』 車に乗り込んで走り去るスミス。 1996年 アメリカ・カラー 監督 ウォルター・ヒル 出演 ブルース・ウィリス クリストファー・ウォーケン ブルース・ダーン カリーナ・ロンバード デイヴィッド・パトリック・ケリー ネッド・エイゼンバーグ アレクサンドラ・パワーズ ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.01 13:10:34
コメント(0) | コメントを書く
[アメリカ ・ アクション] カテゴリの最新記事
|