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シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

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カテゴリ:日活映画


【送料無料選択可!】太平洋ひとりぼっち / 邦画

巨匠・市川崑の代表作として日本映画史に残る感動と冒険の超大作。

1962年5月12日深夜、堀江謙一は、ヨット“マーメイド号”に乗り、サンフランシスコに出発した。悪天候と体力の消耗、それに孤独との戦いは人間の限界を超えている。冒険は果たして成功できるのか??


その1: 海洋冒険家の堀江謙一が教えてくれる勇気と実行力の大切さ

「な、わかったやろ。僕はどうしてもやるんや、決めたんや、分かったら反対せんといて!」
と、反対する父に食ってかかる謙一。

一九六二年五月一二日深夜西宮港を、二人の親友に見送られてヨットに乗り移った青年がいた。堀江謙一、この22才の青年のあやつるヨットは、“マーメイド号”という、長さ五・八メートル、幅二メートルの小さな船だ。

この小さなヨットで太平洋を横断してサンフランシスコに行こうというのである。この計画実現のために堀江青年は5年の歳月と周到な準備を整えた。後は実行に移すだけなのだ。

父には親子の縁を切るとまでいわれ、母には監獄へ行くようなマネは止めてくれとなきつかれ、それでも彼は実行をためらわなかったのである。謙一の決心が変わらぬと知った母は財布からなけなしの金を出して渡してやり、妹は洋裁学校で作ったクッションを兄に手渡すのだった。

風力のみで走るように設計された船は、三十九時間も大阪湾内を浮きつづけたあげくやっと北風に乗り、大阪湾を乗りきることができた。

だが海の荒れが彼を待っていた。食べものは吐く、ヨットはエレベーターのごとく上下に揺れ動いた。しかしその代償として、最も恐れる巡視艇にはみつからずにすんだ。

彼の行為は日本の法律では許されず密出国になるのだ。悪天候と体力の消耗、それに狐独との戦いは、人間の限界を遥かに越えていた。

憧れの太平洋に出た日、台風三号に襲われた。怒涛のような大波にふりまわされるヨット、船の窓が割れて船内に波頭が流れ込む。板を打ちつけて波の流入を防ぐ謙一。苦しい戦いは、堀江青年の苦心の操舵できりぬける事が出来た。


その2: 疲労困憊のあまりびしょぬれで床にぶっ倒れた堀江青年は・・・

二日二晩の苦悶は彼に母国への郷愁と、忍び寄る孤独感を残した。ホノルルの放送を携帯ラジオでキャッチ。ラジオから流れ出す「王将」の歌。

音符吹けば飛ぶよな将棋の駒に~・・・
「将棋の駒をヨットに置き換えたら、今の僕の心境にぴったりや・・・。(歌い出す)吹けば飛ぶよな小さいヨットに~ 賭けたいのちを笑わば笑え~・・・(涙がこぼれ落ち、遂には泣き出す)。

ギラギラ燃える灼熱の太陽、果てしなく広い太平洋。対決する太平洋7000マイル、94日間の苦闘の日々。
「おはようさん・・・またあさですな・・・」
一人芝居を演じる裕次郎。

飲めない酒に心をまぎらわそうとするのも、孤独感を忘れるためだ。食事はカン詰を副菜に、水不足のため、ビールで飯を焚く。

ハワイを過ぎた頃、マーメイド号は一万トン程の貨物船に出会った。無精ヒゲで真黒にやけた小さな日本人が片言の英語で渡りあう姿に船上の人々は驚嘆の目をむけた。パスポートの提示を要求されて、危うくこぎ去る堀江青年。


その3: 一見無謀に思えるヨットによる太平洋横断 成功の陰にあった出来事をあますところなく描き出した作品

緑色の海原、深い霧、霧の晴れ間から陸が見えた。目指すサンフランシスコに近づいたのだ。碁盤の目のようにまたたいている街の灯、長い光の列を目前に、「お母ちゃん、僕きたんやで」青年堀江謙一は操舵席に両足をふんばって立ち、大声で叫けんだ。

ゴールデンゲートブリッジをくぐる謙一のヨット。橋のポールの尖端からの大俯瞰のカット、橋を走る車が豆粒より小さく見える。このカットにはさすがに驚いた。カメラの山崎さんはさぞ苦労したことだろう。

百日に及ぶ太平洋征服の夢が今実現したのだ。新聞記者たちがヨットに群がる。
「ぜ~んぶ英語や。なんにも分れへん」
謙一、アメリカの大地によろけながら足を踏みしめたのである。

この映画は大傑作である。見ていない人は一度でいい、ご覧になることをお勧めする。

1963年 日活/石原プロ・カラー 監督 市川崑 出演 石原裕次郎 森雅之 田中絹代  浅丘ルリ子 ハナ肇  神山勝 芦屋雁之助 大坂志郎 
 
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Last updated  2008.03.14 09:04:58
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