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シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

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カテゴリ:東宝映画



今は昔、かっての東京オリンピックの感動は何処へ行ったのだろうか。

市川崑総監督が日本の総力を結集して取り組んだ一大感動ドキュメント。

ニュース、劇映画のキャメラマン164人が、最高の技術をふるって撮影した五輪映画初のワイド版である。


その1: 劇的なシーンはどのようにして刻みこまれたのだろうか?

ブルドーザーが鳴り、壁が倒れ、“東京オリンピック”の歓迎準備は万端整った。ギリシャに端を発した近代オリンピックの火が、太平洋を渡って、今、東洋の国日本に近づいてくる。

羽田空港には、アメリカ選手団を初めとして、各国選手が到着、万国旗のはためく中、聖火は点火され平和を象徴する鳩が放された。そして選手団の入場、アメリカ、ソヴィエトの大部隊、最後に日本選手団の入場である。前陛下のお言葉、まだ若い現両陛下のお姿も見える。

翌日から競技が開始された。100米男子決勝ではアメリカのへイズが、走高跳男子決勝ではソ連のブルメルが優勝。つづいて、砲丸投男子決勝でアメリカのロングが女子決勝ではソ連のタマラ・プレスが優勝。円盤投男子決勝ではアメリカのオーターが、女子決勝では再度タマラプレスが勝った。そして薄暮の中で、熱戦をくり広げた棒高跳は、ついにアメリカのハンセンの上に輝いた。選手たちの激しい息使いまで聞こえてくる迫力は見事だ。

翌日、雨空だった競技場で、一万米決勝でアメリカのミルズが優勝、つづい男子200、女子走高跳、女子槍投が行われた。800米女子決勝では、イギリスのパッカーが優勝。競技場のあちこちでは美しく逞しい身体がゆき交う。優勝者の国歌が流れ、女子80メートル・ハードル期待の依田選手が口笛を吹いて緊張をほぐしている。


その2: 逞しい筋肉の動き、心臓の鼓動すら聞こえそうな選手の胸のアップ

体操では、日本選手が堂々と君が代を鳴らした。今度初めて参加した国、チャド。1名の選手と役員2名が参加。二度と来られないだろう。競技場の晴れの舞台で、独立国の責任と喜びを味わった。

日本のお家芸、重量挙、レスリング、柔道も、予想以上の好成績。フェンシング水泳、フリーライフル、自転車、サッカー、ホッケー、バスケット、水球、馬術、そして、バレーボールでは、東洋の魔女が接戦の末、君が代を鳴らした。思いがけず、観客席の王、長島の姿も見せてくれる。 

カヌー、ボート、ヨット、競歩、近代五種と競技は展開し、オリンピック最後を飾るマラソンは、アべべの2連覇で終った。すべての競技が終了した。 


その3; ユニークなカメラアングルとスローモーションで写し出された競技の美しさ

そして閉会式。開会式の整然とした緊張感と比べて、肩を組み賑やかに踊りながら行進する選手や役員たち、渾然とした中にも人類はひとつを感じさせるイベントだ。メキシコで再会する日を祝して、聖火は太陽へ帰った。

「人々は4年毎に夢をみる。この創られた平和を夢で終わらせていいのだろうか?」

次期開催国メキシコの国旗がメインポールに翻えっている場面で終わる。

今度の北京オリンピックはどんな素晴らしいシーンを見せてくれるだろうか。友情溢れるオリンピックであってほしいと願う。

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Last updated  2008.07.23 20:57:35
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