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シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

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カテゴリ:松竹映画
待つ愛とは、かくも偉大なものであろうか。究極の愛の形ではないかと思える。「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」がそれだ。

この映画は、北海道の原野を疾駆する車が主人公とも云えるロード・ムービーだ。日本でロード・ムービーを成功させることは困難だ。日本の国土は狭いからである。アメリカとは比較にならない。

ロード・ムービーとは、”愛”を求めて旅をする映画とも云える。主人公たちが果てしなく長い道のりを走り続けるのも、その先に”幸福”が待っていると思うからであろうか。

この作品はロード・ムービーの代表作のひとつと言えよう。



 【中古】美品! 幸福の黄色いハンカチ/高倉健DVD/邦画


刑期を終えて網走刑務所を出所したばかりの島雄作(高倉健)は、離婚したかっての妻、光枝(倍賞千恵子)に宛ててハガキを出す。

『今朝、出所した。これから夕張に向かう。もし、もし、まだ一人暮らしで、お前、俺を待っていてくれるなら、家の竿に、黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ。それが目印だ。もしそれが下がってなかったら、俺はそのまま引き返して、二度と夕張には現れないから・・・』

妻の幸せを思い、獄中から一方的に離婚を通告した雄作だったが、もしや自分の帰りを待って再婚もせず、一人暮らしをしているのではないかと思いながら家に向かう男の期待と不安、揺れ動く心を健さんは見事に写し出す。

口下手で不器用で、妻に甘いプロポーズの言葉すら掛けられなかっただろう男が、途中で知り合った若者二人、小川朱美(桃井かおり)&花田欽也(武田鉄矢)にポツリポツリと真情を洩らす姿には胸を打つものがある。

この映画で面白いのは”寅さん一家”が随所で顔を見せることであろう。中でも寅次郎の渥美清が警察署の渡辺係長役で出てくる場面だ。

口髭をひねりながら、無免許運転で逮捕された雄作の危急を助けてやる役などはまさにハマリ役と云えよう。

また、桃井かおりが、煩悶する雄作をやさしくなぐさめる朱美役を懸命に演じている。

そして、ラストシーン。車がカーブを曲がった途端、青空にへんぽんとひるがえる無数の黄色いハンカチが目を射る。こうなるだろうと予測していても感動で目がウルウルになってしまう。

この愛の物語をまだ見たことのない若い人たちにぜひとも見てほしいと思う。





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Last updated  2011.10.09 12:02:20
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