OVARY LODGE (1973)
前年72年に発表され日本盤(ビクター)でも話題となった作品ブループリントの後、キース・ティペットはロイ・バビントンとフランク・ペリーとのトリオでオヴァリーロッヂというフリー・ミュージックのグループを立ち上げた。その壮絶なる記録。増感現像にてジャケットに浮び上がるフランク・ペリーの山のようなパーカッション群は圧巻。前作と同じくプロデュースにロバート・フリップを招聘している。フリップのティペット関連への関与は、センチピード、ブループリントに続き通算三作目。LPに記載されているキースのメッセージ「このアルバムのすべての音楽(全トラックの意)は即興である」ロバートのメッセージ「その音群はアコースティックであり、エレクトリックでは無い」エンジニアはアンディ・ヘンドリクソンメンバー表には、Composersと書かれておりあくまでも自身を作曲家として力強いアイデンティティで主張している。ComposersKeith Tippett / Piano, Zither on TROPIC CAPRICORNRoy Babbington / BassFrank Perry / Percussion, Piano on Interior on TROPIC CAPRICORNこのLPはRCAの経営問題もあってか、ブループリントに比較すると流通数は少なく70年代には一時5万前後の高値で取引さえされていた。英国フリーミュージックのひとつの頂点。後に76年に同名のバンドで英オガンレコードより出ていたLPは、一部での紹介では「再発」と紹介されているが実は「全くの別物」でオガンのバンドはジュリー・ティペットが参加した後年のもの。