東京MX-TVの円谷劇場と映画まちぶせ等
怪奇大作戦が終了し、現在はウルトラセブンが放映中なのであるが、今週少しチャンネルを合わせ見てみた所どうやらデジタルリマスター版では無いようだ。かなり画面にノイズもあるし色もフィルムが風化した青が飛んだ感じであった。DVDの絵も音も奇麗なヴァージョンを見た後だとなぁ。。。NHK-BSで古い映画「まちぶせ」が放映されて久しぶりに見直したのだが、デジタルリマスターで発色が良く丸で最近の映画の様であった。音もかなり手を加えてあるので耳障りも悪く無かった。ちなみにまちぶせといっても三木聖子や石川ひとみの歌では無く、1970年の公開の時代劇の方。古い映画では録音や再生メディアの性能もあって「意図的に2kHzあたりの帯域が若干持ち上げられている」ものなのである。そうする事で日本国中にあるバラバラな性能のあらゆる映画館の再生装置でも音声(特にセリフ)が聞き取り易くなると言う事でこの様な手段が使われていたのである。今の時代はどこの映画館も最新鋭の機材であるから想像もつかない人もいると思うが、30年ほど前までは日本にもまだまだ古い映画館がたくさんあったのだ。まちぶせは稲垣浩監督の作品で、三船敏郎、勝新太郎、石原裕次郎、中村錦之助(後の萬屋)、浅丘ルリ子らの豪華キャストによる大作時代劇。黒沢作品での用心棒や椿三十郎が好きな人ならこの作品での三船の演技は堪えられないんじゃないかな?当時既に黒沢とは縁が切れていた三船だったが、この作品であの魅力的な浪人姿がまた見られるのが嬉しい。座頭市では無い裏のある悪役像を演ずる勝新もこの複雑な役回りを見事に演じており、最後の立ち回りでの凛々しささえ感じる存在感は圧倒的である。三船や勝が大暴れする中、大勢の敵の取り縄や棒で取り押さえられそうになるシーンは、当時の学園紛争等のデモ隊と機動隊のぶつかり合いを想像させる作りになっているのも時代の生せる演出だったのかもしれない。また稲垣監督独特の美しい構図も見所。音楽はこれまた黒沢作品など多くの東宝作品でダイナミックな楽曲を提供された今は亡き師匠佐藤勝である。ついつい、授業で怒られたのを思い出したり(汗)あ、ちなみに私は他の生徒ほど怒られていません。DVDでも出ているようですので時代劇好きなお方にはオススメ度高いです。東京ではテレ朝で子連れ狼を再放送している。昔の萬屋のではなく近年制作の物である。母が見ている横で見るでも無くたまたま緊迫するシーンのBGMを耳にしたのだけど、どうも1曲ELP・WORKSでのキース・エマーソンのピアノコンチェルトNo.1みたいなリフが思い切り使われているんである。朝の情報番組とかでBGM業者のUKモロパクリの笑えるのが掛かったりするのとは違って、シリアスな時代劇でである。音楽監督はどういうつもりだったのかな?まあ、ドラマの音楽は名前通りに音楽担当者が全てやってると言う訳でもなくて、結構弟子が手がけて師匠がそこから選ぶなんて言うのもあるから何ともいえないが。。。