JOHN BROMLEY - MELODY FAYRE / SUGER LOVE (1969)
ゴードン・ハスケルがロバート・フリップから「一緒にキューピッズ・インスピレーションの仕事をしないか?」と誘われLes Fleur De Lys脱退を決意する頃のセッションで録音されたジョン・ブロムリーのアルバム「SING」。このアルバムや他数枚のシングル曲の為にFleursが参加した録りは1968年の年頭から3月位まで。1969年になりアルバムからのシングルカット曲として出たのがこの一枚。JOHN BROMLEY - MELODY FAYRE / SUGER LOVE (1969) 当時のシングル盤は本国イギリスでは単なるカンパニースリーヴに入れられて売られるシングルが多かったようですが、欧州各国で売られる際には画像のようなピクチャースリーヴに入れられて売られるケースも多かったようです。 1967年年末にかけて、Giles, Giles and Fripp が仕事も全く無く食えない状況をハスケルと共にメンバーの欠けたばかりのキューピッズのバック演奏仕事を請け負うことでどうにかしようとフリップが考えてたらしい事がシド・スミスさんのクリムゾン伝記本に書かれてましたが、このシングル曲を収録したアルバムを録音していた68年冒頭には時期的にハスケルはFleurを抜ける覚悟を決めていたと見ていいでしょう。結局フリップは68年春にはGGFがデッカとの契約を得た為、Cupid's Inspiration入りしたハスケルとは行動を共にはしませんでした。シド・スミス本では67年年末までの時点でフリップがハスケルを勧誘してたっぽい書かれ方をしていますが、ここらへん当事者がいつ頃の時点の話をしているのかちょっと不明。なので残されたレコーディングデータやレコード発表時期からその行動の裏側を推測するしかありません。 肝心のこのドイツ盤シングルですが、マスタリングが本国とちょっと違うようで、バランスがアルバムやFleursのCDで収録されているものよりハーモニカが小さくなっているなどちょっと不思議なシングル盤となっています。意図的に行なわれているのか単なる手違いなのかはわかりません。ただやはりシングル盤、レンジの大きさとサウンドの細やかさはさすがで、アコースティックギターのキレやドラム・ベースなどの存在感はCDには出せないサウンドで、ゴードン・ハスケルのハーモニーも分離良く聞こえます。 ジョン・ブロムリーのアルバムSING、そしてその前後に出されたアルバム未収録シングルなどは2009年に出た再発CDに収録されていますが、その再発の影響からか現在このシングルを含めジョン・ブロムリーのシングルやLPが品薄になり高騰しているようです。ピクチャースリーヴのシングルも人気の様ですが、本国盤シングルも人気が高い模様です。以前もブログで再発CD「SONGS」を取り上げましたが、その際にご本人と数回メールでやり取りした中で、声と同じくいかにも英国紳士然とした優しいやり取りに感動しました。近年も往年の仲間との縁が続いているようで、Fleur De Lys再結成イベントなどにも来場しブリンらと旧交を温めていたようです。John Bromley / Songs 輸入盤 【CD】価格:2,100円(税込、送料別)