クリムゾンやソフツを初め60年代末から多くの作品に足跡を残したキース・ティペット・グループの2NDアルバム。当時、LPは日本フォノグラムから国内販売されておりライナーを書いたのがジャズ評論で著名な悠雅彦氏で、あるJAZZの歴史の講義を受けた際に氏が講師で出てきてびっくりしたものであった。当時のライナーだと氏がイギリスに行った時に現地のライブハウスでは「クラプトンとかティペットのライブが旬」と言われて現地で見に行こうと思ったがあいにくギグが無くて帰国したそうだ。旬と言われたティペット自身を音楽界が放って置くはずも無く、多くのセッションにキースの独創的なピアノプレイが残っている。で、このアルバム。70年代には日本でさほどの注目を浴びていた訳ではないが、廃盤収集家等の間でジワジワ評価が上がっていった一枚でもあるね。78年頃には2~3万していたと記憶している。無論、ロバート・ワイアット、ゲイリー・ボイル等ゲストの熱演やロジャー・ディーン(弟も書いている)のジャケットアートもあるが、とにかく熱い音の詰まった作品。キース自身全員がとても楽しんでレコーディングしたと語るだけあってジャズやロックといったカテゴリが無意味だと感じるノリの良さ。現代の評論では「コルネットやトロンボーンが弱い」とか論う向きもあるのだが、あの熱い時代の一片をまさに切り取った斬新なサウンドは貴重かつ重要。文句無し名盤といって全く過言ではない。(クリムゾンのアイランド等で聴かせたマーク・チャリグのコルネット、絶品だと思ってるのでムキになったりして、汗。)一部楽曲が後のセンチピードで使われているのはファンならご存知のことだと思いますけどね。ちなみに英ヴァーティゴのLPはコットン紙っぽいジャケットだったので良い状態のが余り無かった。日本版はコーティング紙だったので、近年まで割と状態が保たれていたけど、お金が無くて売っちゃいました(汗)。復刻CDは割と手に入れ易いのでおすすめ。
で、このグループのフロントマンでもあるソフツ参加でもお馴染みエルトン・ディーンだが、彼の名前からエルトン・ジョンが芸名の「エルトン」を頂いたのは知ってる人なら知っているよね。