仕事から帰って、久々にレコードプレイヤーを棚から下ろす。
何枚か聞きたかったアルバムをレコード棚より引っこ抜いて赴くままにターンテーブルにのせる。中でも本日特に気持ちよかったのは、バタフライボールだ。
英パープルレコードより発表されたこのレコード、往年のパープルファンなり70年代ものを色々と聴かれている方ならご存知かもしれない。ディープパープルのメンバーが才人揃いなのは今更語る事でもないが、ジョン・ロードやロジャー・グローバーがその溢れる才能を自分たちのバンド以外にも作品化しているよね。このバタフライボールもそんな作品の一つなのだけど、元は英国で制作されたミュージカルアニメ作品の為のソングブックといった趣のアルバム。内容は非常にバラエティに富み、ポップな作品がたくさん詰まっている。全ての楽曲制作とプロデュースをしているロジャーの実力も空恐ろしい。参加ミュージシャンもパープルファミリーに留まらず実力者揃いで幅広い。オイラの好きな曲は、オープニングのロジャーのシンセが鳴り止むとマーティン・フォードらのオーケストレーションの軽快なテンポ、派手なトランペットに導かれグレン・ヒューズのソウルフルな歌が気持ち良いGET READY。そして、ミッキー・リーの歌いっぷりがケヴィン・エアーズっぽく印象的なNO SOLUTIONもコミカルな味わいのあるイイ歌だ。ジュディ・カールの歌うARANEAも凄くキャッチーだし、ジミー・ヘレムスのWAITINGもメロディが素晴らしい。他の歌い手もリサ・ストライクやトニー・アシュトン(!)、バリー・セイント・ジョン、エディ・ハーディン、無論ロニー・ジェイムス・ディオもハードに時にソウルフルに歌っているし、デヴィッド・カヴァーデルもいいなぁ。そして、クォーターマスやハードスタッフでパワフルなヴォーカルを聴かせていたベテランのジョン・ガスタフスンもイイ感じ。バックもモ・フォスター、レイ・フェンウィック、アン・オデル、エディ・ジョブソン、マイケル・ジャイルス等など。日本じゃ当時東芝から発売されていたが、その後も再発されたりしてたね。発表から25周年記念のCDも出ているようだ。ハードロックを期待すると肩透かし食らうかもしれんが、良質でハイクオリティなポップミュージカル。パープルファミリーのヴォーカリスト達が、ハードナンバー以外を歌わせても半端じゃない奥深い実力を持っているのが良く判る。良いアルバムですな。