67年にサックス奏者のトレバー・ワッツをリーダーに結成されたフリージャズグループだったが、74年のこのアルバムではファンキーなジャズロック路線で楽しませてくれる。ワッツの他のメンバーは盟友ジョン・スティーブンス(ドラムス)に、ケント・カーター(ベース)、リンゼイ・クーパー(ベース)、キース・ティペット(ピアノ)、テリ・クアイ(コンガ)。ほとんどのナンバーがジョンの作品で、演奏中のメンバーの笑顔が思い浮かぶ様なノリのよい明るいアルバムとなっている。特にラストナンバーのオーストラリアン・ロールに至っては往年のクレージーやドリフの音楽コント風な演奏が面白い。
70年代後半にもワッツはアマルガムを再結成するが、ジョンは参加していない為メンバーも流動的だったようだ。LPでは後期アマルガムは比較的に入手し易かったが、このイノベイションはポリドール傘下のタンジェント・レーベルというマイナーからの発売だったので結構探したりして割と入手に手間取った。現在はCDで復刻もされているようなので70年代の英ジャズロック好きにはお勧め。