前回に引き続きブリン・ハワーズ。ブリンの通算4枚目はキープ・ザ・ボール・ローリング。これもかなり聴きまくったLPだ。1979年のこの頃になるとA&M移籍の前作グランドアライバルの高評価もあって、発売時には輸入盤店の店頭でも新入荷で並んでいたりしたなぁ。オイラもお茶の水で見かけて即買いました。前3枚と比べるとかなりAOR寄りとも言われているが、どうだろう?実際曲の作りとか基本は変わってはいないように思えるんだけど。ただ表面的には楽器の編成などがよりモダンなアプローチになってるからそう感じるんだろうね。1曲目のタイトル曲クリフ・リチャードとのデュエットから始まり、ほんとどの曲も聞くほどに染み入る味わい。2曲目のファースト・タイム、ドラマティックで耳で聞く純愛ストーリーてな純真な歌だ。3曲目レット・ミー・ラヴ・ユー、本来の彼らしくしっとりと聴かせ、4曲目スタンディング・オン・ザ・ロックへ。ストレートながら芯の太い曲の良さとコーラスワークが光る。5曲目、シティ・ボーイ。この曲を良く聴いていた80年代初頭、大竹まこと達のシティ・ボーイズがTVとかで出始めてちょいと曲の印象が(爆)。徐々にオーケストラ共々盛り上がっていくLPのA面を締めくくる名曲。B面の1曲目、パーティ ガール。ギターの弾き語りのブルージーかつお茶目な小品。この手の演奏に何気にテクニックの凄さが際立つんですな。B2曲目、ラグジュアリー・ライナー。またもクリフとのデュエットやコーラスが楽しい。B3曲目アンチェインド・メロディ、あの超名曲をブリンの7色の超絶スライドプレーが千変万化の素晴らしいインストナンバーへと昇華させている。一部の評論じゃこの曲を「駄作」扱いしているのもあるが、とんでもねぇ!耳腐ってんじゃねぇか?!とオイラは断言する(笑)。ギター弾く人間ならより一層感動物の名演である。冗談言っちゃいけねぇぜ。B4曲目アナンプロイメント・ブルーズ、彼が傾倒するゴスペルの色合いがこの頃より出てくる象徴的な曲。ラストナンバー、ワーキング・フォー・ラブ。ノリとテンポの良い軽快で明るいナンバー。
クリス・ステイントンやメル・コリンズ、ピート・ウィングフィールド等名うてのミュージシャンのタイトに引き締まった演奏も耳に心地よい。
ジャケットはギターをボーリングのレーンに見立て、ビル群がピンになっているいかにも70年代のエアブラシ技法のイラスト。裏面には本作のネーム入りサテンジャケットを羽織ったブリンがボーリングをいかにも今せんとするところの写真。
復刻CDも出ているとのことなので、わざわざ高額なLPを探すまでもない。
追伸:前回に紹介したブリンの2作目であるが、1作目との 2 IN ONE CDとして出ているそうだ。