幻魔大戦というと四半世紀近く前の角川映画のサントラでのキース・エマーソンの音を思い出すが、平井和正のもう一つの幻魔SFパラレルワールドの真幻魔大戦のイメージアルバムもあったのだ。個人的に平井ファンでもあるし当然発売当時即買いしました。
このアルバムの凄い所は難波弘之と厚見レイという名キーボーディスト2人が、小説真幻魔大戦の壮大なイメージをもう思う存分プログレ展開していることだろう。とにかくセンス・オブ・ワンダー関連で最高傑作に押す人も多いんじゃないかな?そうる透の凄まじいテクニックのドラミングがまた聞き手の血圧を上げまくる壮絶さで炸裂しているし。ノヴァトロン(メロトロン)やシンセの掛け合いもドラマティックでなにより曲の良さが最高。ホント密度の異常に濃いプログレの傑作だ。ジャケットのアートワークも生頼範義のイラストが素晴らしい。生頼さんといえば今話題のスターウォーズの日本ポスターイラストとかでも有名だけど、この当時は平井作品における重厚な絵画風アートワークが印象的だった。
時代的にヤマハの最初期のマルチ・シーケンサーQX-1(当時48万!)の登場直前の作品で、この後打ち込みが音楽界を席捲していくだけに、難波さんの魂の手作業プログレの最後の雄たけびだったのかもしれない。難波さんもこの後QX-1を早速使うようになっちゃたしね。オイラも買ったけど(自爆)。
余談:80年前後の日本プログレも知り合いの楽器屋に薦められてそれなりに聴いてはいたが、個人的に琴線にふれるもんが余り無かったなぁ。中にはボーカルの非力なバンドもあってゲンナリする事もあったよね。しかし、パス・レコードのユニークなバンド達やこのアルバムは今聴いても面白いね。パス関連って今は無きトリオレコードで配給されてて、トリオレコードはアキバはオノデンのビルに昔あったんだよなぁ。フリクションとか突然ダンボールとか良かったな。パスって今結構高くなってるレコード多いけど、CDでも復刻されてるね。ただパス閉鎖後の突然ダンボールとロル・コックスヒルの自主制作コラボなんか、今手に入らなくなってるから買っとけばよかった、ぬぬう。。。