ヘンリーカウがウエスタンカルチャーで遥かな地平まで逝き付いてしまった後、フリスの音楽放浪の軽快な気ままさが80年初頭のいくつかの作品で楽しめるが、これもまた彼の凄まじいばかりの技量から考えると肩の力の抜けた面白い作品。CDだとわかりにくいがLPだとA面がSamla Mammas Mannaとの演奏でB面がMuffinsとの演奏でトム・スコットもスラップ・ダンスと言う曲で参加している。
同時期のロバート・フリップのフリッパートロニクスとディスコの融合も趣味趣味で凄い内容だったけど、こちらはあくまでメンバーの感性にフリスも気持ち良く乗った肉感的感じ。現在の復刻CDではボーナストラックも付いているそうだからお得ですな。このあとのスピーチレスも手作り感いっぱいで良いアルバムだったね。彼のソロインプロも何度か見て感じたけど、ほんと引き出しの多いギタリストって感じで元々のセンスと許容力の広さに感服するなぁ。マサカーとかトテツモナイ音群を吐き出したりもするけど、民族的なある種哀愁を感じさせる憂いも魅力的だ。20年近く前に東京の街中をDATを担いでマイク片手に様々な環境の音に耳をそばだてていたフリス。今でもどこかの町の雑踏に耳をかたむけているんだろうか?