|
カテゴリ:色々ごちゃまぜ
軍人や政治家や文化人でも無く、時代に翻弄される人々を助けた市井の人々というのは後世に語られにくいものであるが、助けられた側の人々の中で語り継がれ後々になって書籍や映像化される事もあるにはある。
しかし、その行為自体が売名や自己顕示の為の目的で無かった故にノーベル賞を受賞したり、様々な顕彰等を受けていない方々の記憶は、関わった民族においても忘れられがちなもの。 映画化されたオスカー・シンドラーやリトアニア駐在領事代理杉原千畝の逸話もあくまでも助けられた側の記憶が、当の本人の本国では認識されていなかった物語を浮き上がらせたのはご存知の通りだ。 戦前~戦時下、そして戦後の混乱混沌とした日本。 その時にも多くの外国籍の人が日本国内で表立たないながら活動していた事は、現在余り多くの人には知られなくなってきているのかもしれない。 亡き父と叔父が戦後に施設の補修で伺った事も昔聞かされた、孤児のためのエリザベス・サンダース・ホーム。そして、25年ほど前にドキュメンタリー映画と写真展のイベントで関わった、戦前から国内で人々の救済に尽力したゼノ・ゼブロフスキーという修道士の活動。機会が無ければ私個人もその存在や活動を知る事も無かったかもしれない。 ゼノさんの映画も深い感銘を受けたが、その身体を投げ打って全ての人のためにと活動した彼の写真展は今も強烈な印象となって心に残っている。 今日7月6日の深夜1時44分からになるが、関東だと日本テレビにおいて「ゼノーかぎりなき愛に」という彼のその半生を描いたアニメーション作品が放映されるという。ただ、野球中継の延長によっては放映が若干遅れたりするかもしれないが、これは今の時代だからこそ多くの人に観てもらいたい作品。実際のゼノさんの活動は本当に着のみ着のまま、ボロボロのまるで布を羽織ったような仙人のような風貌だったけど、アニメ作品だけに若干の美化は致し方ないし、その当時当たり前に存在した悲惨さは描き切れる物では無いかもしれない。しかしその存在を今確認する事に大きな意味があると思うのだ。 もし作品を見て興味が沸いたなら、その軌跡を今一度ネットで調べてみるのもいいだろう。 今の日本が、日本人が忘れつつある、その恩義に注目する夜が一日くらいあってもいい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 6, 2006 11:59:55 AM
コメント(0) | コメントを書く |
|