センチピード(ムカデ)とは60年代末から注目された当時気鋭のジャズピアニストであったキース・ティペットの構想を元に70年に企画された50名を超えるビッグバンド・プロジェクト。当時はネオン・レーベルの配給の関係で日本版LP2枚組も発売されていた。(写真は米盤ジャケット、英国盤よりも音楽の雰囲気に合っていると個人的に思う。)
ストリングスが20名ほど、ブラスセクションも20名ほど、他にコーラスにリズム隊と参加ミュージシャンも多彩で当時の実力派ミュージシャンを結集、ティペットグループ以外にも、ソフトマシーン、ニュークリアス、シンビオシス、ブロッサムトゥーズ、キングクリムゾン、後のELOやエスペランドのメンバーなどなど、実に豪華である。
様々なアーチストの組み合わせによるサウンドの変化も楽しめるが、作品全体を通じて感じさせるのはクールな作風の多いキースの楽曲の中では珍しく肉感的で情熱に溢れていることだろう。
70年末にライブ活動を開始し71年にも幾度かの活動を行っていたようである。そのライブでは下の写真のごとくロバート・フリップもギターを弾いていたが、レコーディングではプロデュースのみで演奏には参加していない。このアルバムとクリムゾンのリザードを続けて聴くと当時のフリップの嗜好の一面も感じさせる。