|
テーマ:キングクリムゾン(654)
カテゴリ:キングクリムゾンメンバーズワーク
マイケル・ジャイルズ先生がキング・クリムゾン脱退後、イアン・マクドナルドとマクドナルド・アンド・ジャイルズでアルバム制作をしたのはファンなら当然ご存知だと思います。ただ、自分達の自由になる音楽をせっかく作れる状況を手に入れつつも、作品作りの迷路にはまり込んだイアンは恋人との関係もあり精神的に追い詰められてしまい、発表後にツアーを行うことも無くプロジェクトは自然消滅しました。イアンが療養に入り個別の活動になったマイケルさんは、クリムゾン脱退後のプランのひとつであったセッションマンとしての活動を活発化させます。イアンが途中で放棄したWood夫妻の作品をはじめフォーク、SSW、ブルーズ等そのセッションワークは多彩に広がりました。中にはレコードとして残ってないシャドウズなどのライブ活動もあります。
そんなマイケルさんのセッションマンとしての初期である1971年。まだ、70年代に彼が多く関わったルパート・ハインやトライアムバラト・プロダクション系では無いセッションワークの作品。 THE MIKE MORTON CONGREGATION - NON STOP TOP 20 VOLUME THREE (1971) PLEXIUM / PXMS 1004 Front 初期フールズメイト編集長、故北村昌士さん著のキング・クリムゾン 至高の音宇宙を求めて(1981年刊)に出ているメンバーたちのセッション参加した作品目録に、本作品のシリーズ第一作がNON STOP TOP 20(PXMS 1003)と記載されていますが、今回取り上げるのはレーベルナンバーがひとつ後の1004であるVOLUME THREEです。 実際は第一作が Nonstop Top 20 volume 1 (PXMS 1001) で1971年2月発売。(EXTRA chart 最高11位) Nonstop Top 20 volume 2 (PXMS 1003) 1971年6月発売。(EXTRA chart 最高12位) 本作volume 3 (PXMS 1004)は、1971年8月に発売されています。 Back マイク・モートン率いるコングレゲイション。礼拝所の集会とかの意がありそうなので、クリスチャン音楽人脈なのかもしれませんが詳しくは判りません。ただし、第一作NON STOP TOP 20はヒット曲カバーを大量に演奏しているのが受けたのかEXTRAアルバムチャートで11位に食い込むなど好評だったようで、その後モートンさんはこの手の有名曲カバーアルバムを量産しています。その全ての作品チェックは困難なのでどの程度マイケル・ジャイルズが関わったかは定かではありません。またその詳しい研究サイトも現在見つかってません。 収録曲:()内は原曲作者クレジット SIDE ONE 1. GET IT ON (Bolan) 2. LEAP UP AND DOWN (Hancock) 3. LET YOUR YEAH BE YEAH (Cliff) 4. YOU'VE GOT A FRIEND (King) 5. I'M STILL AWAITING (Richards) 6. WHAT ARE YOU DOING SUNDAY (Wine-Levine) 7. WALK THE WORLD AWAY (Kords) 8. MOVE ON UP (Mayfield) SIDE TWO 1. BANGLA DESH (Harrison) 2. WON'T GET FOOLED AGAIN (Townshend) 3. HEARTBREAK HOTEL (Axton-Durden-Presley) 4. LA-LA MEANS I LOVE YOU (Bell-Hart) 5. DON'T LET IT DIE (Smith) 6. HAPPY BIRTHDAY RUTHY BABY (Gallagher-Lyle) 7. THESE THINGS WILL KEEP ME LOVING YOU (Fuqua-Bristol-Moy) 8. RIVER DEEP, MOUNTAIN HIGE (Spector-Greenwich-Barry) 冒頭の曲がコンビ解消したイアン・マクドナルドの現場復帰して参加したマーク・ボランの大ヒット曲。それをマイケルがカバーするという何とも微妙で絶妙な巡り会わせとなっています(笑)。他にも1970年前後にヒットしたジョージ・ハリソンやザ・フー等当時の最新ヒット曲が続々・・・と思うとハートブレイク・ホテルが収められていたり、そこら辺はプロデューサーでもあるリーダー、モートンの趣味なのでしょうけれどw カバーのクオリティ、ヴォーカルやコーラスの上手さ、演奏水準はいずれも高く、カバーソング集としての出来は良いです。Top20と題されておりながら16曲なのは、まあ突っ込まないでw 記述がRecorded live at MAJESTIC STUDIOSとなっており、バンドメンバーで一気にベーストラックを録音する形式でどんどん収録したようです。曲間に歓声が挿入されていますが、曲終わりがフェイドアウトして拍手が被ったりしてる為、ライブ風の演出なのかもしれません。曲によってはオーバーダビングもされている上に未クレジットながらストリングスセクションも演奏しています。マイケルもドラムにコンガをダビングした曲が確認できました。 THE MIKE MORTON CONGREGATION 参加メンバー MIKE MORTON : GUITAR NORMAN FRIPP : TROMBONE MIKE GILES : DRUMS, PERCUSSION MARTIN JAY : LEAD VOCALS, GUITAR BARBARA KAY : VOCALS PAT MARSHALL : ALL SAXES, BACKING VOCALS NICKY NORTH : LEAD VOCAL, PIANO, ORGAN GEORGE PATERSON : BACKING VOCALS, TRUMPET VERDI STUART : LEAD VOCAL, TRUMPET SHARON WINTERS : VOCALS このマイク・モートンの仕事に関し、情報をご存知の方がいらしたなら是非ともお気軽にお知らせください。よろしくお願いします。 オマケの私事: 北村昌士さんのクリムゾン本は、出版直後に購入後2度ばかり読んだ後に家人が仕舞い込んでしまい長年行方不明でした。昨年秋に引越し作業中なんと和服用桐箪笥の奥から発掘できましたw フールズメイトに昔数回伺いましたがご多忙なのかご本人とお会いしたのはクリムゾン初来日初日の渋谷公会堂でのみでした。リハ前に簡単にご紹介を受けましたが、物静かに考えにふけっていらしたのが印象的でした。氏のクリムゾン本は、今でこそバンド関係者の証言や研究者の文献も増えて事実関係の違いを見て取れますが、80年代初期の当時にこの手の本を出版されたことこそが、とても意義深いことであると言えますよね。北村さんの本が出てクリムゾンが再起動した頃、私個人レコードのコレクションを辞めた時期でしただけに、久しぶりに本を眺めると今こんなブログを書いてることにも不思議な感覚がありますw 本の間からクリムゾン初来日のチラシも出てきてふーっと記憶がよみがえります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 12, 2011 12:57:16 AM
コメント(0) | コメントを書く
[キングクリムゾンメンバーズワーク] カテゴリの最新記事
|
|