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テーマ:キングクリムゾン(654)
カテゴリ:キングクリムゾンメンバーズワーク
CS放送のミュージックエアを見ていたら、60年頃の英国におけるロックミュージックの勃興と状況について語られる音楽ドキュメンタリー番組が興味深かった。50年代半ばに米国でロック音楽が発祥したのだが、英国では60年頃までほとんどプレスリーのまがい物しかいなかっただとか、楽器もろくに手に入らなかったなどなど。ビートルズが過去のインタビューでも語っていた通り、彼らの登場以前の英国ロックは米国に上陸してもほとんど注目されない存在だったと言われていたが、なるほどコピー商品では本場で通じるわけも無かったという事ですね。
当時英国でそれらプレスリーもどきのアイドルを連発したプロデューサーも番組に登場し、売らんがなという当時の適当な仕事振りを語ってましたが、それでもいくつか興味深い証言がありました。50年代から60年代に英国で流行ったスッキフル。ロックバンドが会場側から拒絶された時代、つまりライブを制限されてた頃にジャズから発祥したいわゆる市井の井戸端バンドが若者の間のスキッフル普及の背景だったみたいですね。これが後にロックを志すバンドが増える下地になったとか。確かにあのビートルズもメンバーが当初集まった頃は、まだスキッフルバンドでしたものね。後にロックバンドで活躍する多くのミュージシャンも当時そういう風潮の中でプレイしていたわけです。例えば、ナイスのドラマーだったブライアン・デヴィソンなんかも50年代からスキッフルのレコードにセッションドラマーとして参加してたと言われてます。 番組ではロックンロール開祖の一人とも言われるジーン・ヴィンセントの当時を振り返る回顧インタビューも流れていました。ヴィンセント自身は71年に亡くなっているので、インタビュー映像は1970年頃と見ればいいのでしょうか。ヴィンセントが、元々地味で恥ずかしがりやだったので興行側から派手な衣装やバイク事故で足を怪我したのを逆に利用するとか様々な演出を課せられた事を語っていました。 ジャイルズ兄弟の1960年代の音源集CD:Giles Brothers 1962-1967で、当時の活動をマイケルさんがとても詳しく書いていますが、その中に英国にツアーしにきたジーン・ヴィンセントのバックバンドを勤めてた一文があります。ジーンはとても足が悪く、といった内容。まだロックの興行形態が5組くらいの出演者でどさ廻り、各20分程度の時間でパッケージツアーをしていた時代。トリを飾るメインのバックを現地ミュージシャンが勤めていた。そんなステージをジャイルズ兄弟らトレンドセッターズも数多くこなしていたのでしょう。イギリスでプレスリークローンではないロックバンドらしいものがようやく市場に出回り始めたのが1960年位からで、そこで注目されたのがプロデューサー、ジョー・ミーク。彼のことも番組では少し取り上げてました。彼の登場がある意味ジャイルズ兄弟のいたダウランズやトレンドセッターズの活動にも関わりがあっただけに様々な当時の時流を垣間見れる面白い番組でした。 ミュージックエア ポップミュージック歴史秘話#12ロックンロール http://www.musicair.co.jp/timet/index.php?rm=detail&id=144582 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 6, 2012 07:44:56 PM
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