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テーマ:キングクリムゾン(654)
カテゴリ:キングクリムゾンメンバーズワーク
普段当ブログは、ボズやハスケルやマカロックらクリムゾンで苦渋を飲まされたメンバーらを取り上げるケースが多い。たくさんのスポットを浴びることの出来たメンバーたちは、多くのファンたちに取り上げられることも多く、逆に不遇だった連中はあくまでマイナー扱いされる現状。私個人はへそ曲がりなのでそういうニッチな分野に興味が向いてしまい、どんどんと異次元に突き進む傾向があることは反省してます。でも改めようとはこれっぽっちも思っておりませんw
実は70年代にクリムゾンのコピーバンドなんぞしてた頃、一番好きだったメンバーはジョン・ウェットンでした。彼がエイジアでメジャーになったおかげで興味が薄れるというへそ曲がりでごめんなさい。でも好きなんですよ、ほんとに。70年代半ばに第一次洋楽廃盤ブームがプログレ誌と絡んで展開していた頃、最初の廃盤バーゲンで必死こいて万札振りかざし手に入れたのが、Mogul ThrashのLPでした。 当然状態の一番良さそうなものを選びましたが。当ブログでは記事を書き始めた2005年にこのアルバムを取り上げました。 で、LP買えば当然欲しくなるのが、LP未収録のこのシングルとなるのはファンならご存知のところ。 MOGUL THRASH - SLEEPING IN THE KICHEN (1970) RCA 2030 (27 Nov 1970) (Litherland / Ball / Brown) モーガル・スラッシュのLPは1971年発売されましたが、上記のシングルは70年11月27日発売。 LPには1970 JUNEとレコーディングが行われた時期が 出ていましたが、こちらのシングルも同じ頃の録音なのでしょうか?ファンの間では昔から人気のある曲では無いでしょうか。私も好きです。 B面はST. PETERのモノミックス。 Mogul Thrashは、昨年2011年にまたCDでリイシューされました。Flawed Germsが出したCDは、ボーナストラックが豊富で、このシングルやBBCセッションが納められていましたが、異常にドンシャリに加工されたサウンドで、LPやこのシングルのレコードとはかなり違ったバランスに聞こえてしまうCDに仕上がってましたね。今風といえばそうなのかも知れませんが、スピーカーで大音量で聞くには10KHz以上が持ち上げられすぎて耳が痛くなりました。デジタル技術を使いすぎてもとの風合いが失われるリイシューはちょっと好みの分かれるところでしょうね。シングルB面曲に至っては、元のミックスが割とハイ上がりな印象だった為、2011年CDではペタペタと薄っぺらいサウンドになってしまっていました。また、ボートラの売り物になっていた彼らが71年の1月と4月にBBC番組に出演したときの楽曲についても、やはり過度に高い周波数帯域が上がりすぎている傾向があります。ボートラの元と同じ演奏が収録されているのはいわゆるトランスクリプション・ディスク。この4月放送分も聞き比べると異常にドンシャリな音へ加工されてしまっています。 BBC TRANSCRIPTION SERVICE / TOP OF THE POPS 337 あくまでも個人的な意見ですが、1970年頃のレコーディングではまだバンドが一斉に演奏してマイクで収音し、それをレコーディング卓でミックスしていた時代。いわば70年ごろ独特の空気感みたいな味わいがあるレコードが、このモーガル・スラッシュだと考えています。だからこそ、あまり過度に加工しないでCD化して欲しかった。これから聞く人の為にも、バンドのサウンドをなるべく壊さずに再発して欲しかったものだと思ってしまいます。そこら辺さえなければボートラも充実してますし良い再発だったと思うのですが。 トランスクリプション・ディスクとは、BBCが製作した番組を海外などに配布する際にプレスされたLPで、TOP OF THE POPSは大体毎回50枚程度プレスされていたそうです。面白いつくりのLPで通常のLPとは少々違ったカッティングがなされています。A面とB面に番組本編が収録されていますが、A面の番組前半が終わった所でいったんカッティングが終わっており、針がそれ以上先に進まぬようにループで止められています。そしてその後ろに1分程度の番組予告編がA面最後に収録されています。この予告編をプレイするためには、いったんレコード針を上げて、予告編部分に針を落とさないとならない規格になっています。普通の商品では、ゲームLPなどの特殊カッティング以外ではありえない構造になってるわけですね。 収納しているレコード袋もビニールの中袋と一体で、蓋付きという特殊な形状です。 Music Copyright Sheet 上記の番組内容リーフレットにあるように、1971年4月21日放送分の番組が入ったLPというわけです。LPのラベルの方が年を間違えて72と刻印されちゃってますが、それも少数プレスならではの間違いなのでしょう。プログラムシートには、曲の作曲者も明記されております。この4月放送分でモーガル・スラッシュの演奏した二曲は公式には当時未発表曲でした。バンドが解散せずセカンドを制作できていたら収録されたのかも知れない、そんな二曲なのでしょうね。出来は素晴らしいです。しかもジョン・ウェットン大活躍。 MUGUL THRASH - FUZZ BOX (Wetton) MUGUL THRASH - Conscience (Rosen, Wetton) 作者として両曲共にジョン・ウェットンが関わっています。これを聞くためだけにもCDを買う価値は確かにあります。ただしCDはこの曲も含め全曲音は激しくドンシャリにされているので、再生時には耳をやられないように調整するなり注意しましょう。
Youtube たぶんアップロード者はドンシャリCDをあげたんでしょう。音がイガイガしてますw Mogul Thrash - Sleeping In The Kitchen ※レコードはこんな酷いバランスではありません。あんまりドンシャリにしちゃうとオリジナル盤のエンジニア、エディ・オフォードに失礼ですよねぇ。 こちらはBBCセッションですが、これもCDの音ですね。 Mogul Thrash - Fuzzbox(BBC session) 余談: モーガル・スラッシュのLPジャケットには、メンバー以外の人間が写っていますが、コレは誰なのでしょう?昔から気になっていますw ※真ん中のクラシカルなスタイルの水着?を着た男性。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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