ご存知の方も多いでしょうが、キング・クリムゾンの太陽と戦慄に収録されてる曲Talking Drumで全編ジェイミー・ミューアがポコポコとチューニングを上げ下げしながら叩く楽器がこちらのトーキングドラム。(下記画像右でミューアが脚で挟んでいるもの)
Jamie Muir
ミューアが様々な打楽器をクリムゾンに持ち込んだ際に多くのアフリカ系打楽器を持ち込んだのは、彼がカンパニーを離れクリムゾン加入に至るあいだの時期に一時参加していたアフロロックバンド、アサガイで多くのアフリカ系ミュージシャンと演奏していたことが深く影響していたのは間違いないと見て良いでしょう。日本の鼓(つづみ)と同じく、胴の両面に張った皮を互いに「緒」を通して締めてある仕様で、胴部分にぐるりと張り巡らされた緒を締めたり緩めることで皮の張力を変化させて自由に音程を変えながら叩けるというわけです。
太陽と戦慄収録曲には他にもカリンバなど様々な民族楽器が登場してますが、ずばり曲名にまでなったのがこの打楽器トーキングドラム。1970年代には日本には稀に輸入楽器店で見かける程度で、当時でも15000円ほどの値段がしましたが現在も輸入ものとなるとそこそこ値段が張るようです。ただし、最近は格安の国産のトーキングドラムもある上に、もっと手頃な手作りキットも登場し一気に買い求めやすい打楽器となりました。
もしもあなたがトーキングドラムをバンドでカバーして演奏したいと思ったならば、良い機会かもしれませんね(なんのこっちゃw)。
※ただしアフリカの演奏家による本来の奏法は、一番上のミューアの様に両脚で挟むスタイルではなく、脇に挟んで締め付けて、空いた側の手が持つ曲がった木のマレットと締めてる側の手のひらで叩くスタイルらしいです。