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テーマ:ゴードン・ハスケル(164)
カテゴリ:キングクリムゾンメンバーズワーク
60年代後半ゴードン・ハスケルが最初にレコーディングやプロデビューをしたバンドFleur De Lys(以下FDL)。
約5年のバンド活動期間中激しいメンバーチェンジでオリジナルドラマ―のキース・ガスター以外がドンドン入れ替わってたグループで謎の多いバンドでもありました。 1990年代に入手の難しかった彼らの関係した音源を集めたリフレクションズというコンピレーション・アルバムが発売されようやく我々もその音に触れる機会を得られたのですが、約20年前のリリース時において間違った情報が記載されてしまってました。 まずバンドの初代ベーシスト、ダニー・チャーチルがこのCDにはゲイリー・チャーチルと誤表記されてしまっておりました。ここは今現在も修正されることなく販売されてます。 ゴードン・ハスケルが一文を添えているCDなので、てっきり書かれてる情報が正しいと思い込んでしまいそうになりますが、ハスケル氏はバンド全史において66-68の二年三カ月ほどしか在籍していなかったので、彼の前任ベーシストについて詳しくコメントできるはずもありませんし、未関与のデビューシングルも彼の加入以前の出来事でした。 唯一FDLの歴史に関わり続けたドラマーであるガスター氏によると、このコンピ盤の発売は全く知らなかったそうで、ハスケル宅に尋ねて行った時たまたまハスケル氏のレコードコレクションに本作をみて驚いたそうです。 彼曰く「あのコンピ盤は海賊盤」と盤起こし音源をかき集めたアルバムを称してました。 事実「リクレクションズ」に収録された24曲中、19曲目のWait For Meは彼らがデビューシングル向けの作った原曲ではなく、ジミー・ペイジが自身の制作楽曲と入れ換えて発売した事が明らかになっています。つまり一切FDLが知らぬところで作られていた曲がシングル盤発売時にねじ込まれたという問題がありました。 当然当時のメンバーは全員が激怒し、ペイジに対し電話で抗議を行ったそうですが、ペイジいわく「マスターテープに欠損があった為、リリースに間に合わせる為に既存の曲を入れた」という回答だったそうで、ショックを受けた初期メンバーは最終的にポロポロと脱退してしまいます。 (そのおかげで1965年年末、ベーシスト募集を聞いたハスケルがダウランズからFDLのオーディションを受け、後釜に収まった訳ですがw) もうひとつ、FDLが一切関与してない楽曲も本アルバムには収録されており、16曲目のWaygood Ellis - I Like What I'm Trying To Doがそれにあたります。 この曲は、FDLがよく様々な作曲家やアーチストのデモレコーディングに関与してたうちの作家のひとり「グラハム・ディー」が制作した楽曲なので勘違いされてきたのでしょう。 ディー氏のコレクションCDでは、明確にクレジット共にFDLが関わって無い事が記載されてました。 Graham Dee on guitar, Tony Lucus on bass, Nigel Lomas on Drums, Gerry Temple on vocal. ピンク・フロイドがライトショーで話題になってた66年のロンドンでWaygood Ellis and The Zoneとして活動してたようですね。 この曲ついてはゴードン・ハスケル自身も日本でサードアルバムが撮倍された際に書かれていた参加レコード一覧において、Waygood Ellisに関わってないと断言してました。 とは言え、本コンピ盤はFDLの作品を聞くにあたって貴重なコンピアルバムであることは事実です。ガスターが2013年に出した正規のコンピ盤You've Got To Earn Itと合わせる事で彼らFDL自身の活動のほとんどが半世紀後の現在聴くことが可能となる訳ですものね。 こちらのコンピレーションは、ガスター氏自身が選曲と各楽曲の説明・演奏メンバーを記しているので、情報源としても確かです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 5, 2018 03:23:09 PM
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