2017年、セラフィームの漫画大賞(∩´∀`)∩ #ぼくんち #西原理恵子 #生き方 #幸福 #幸せ #人生論 #啓蒙書
2016年のある期間から、2017年の4月になろうとする頃合いにおいて、読む漫画のジャンルをさらに広げようとして、グーグルで「鬱漫画」「トラウマ漫画」「後味の悪くなる漫画」等のキーワードをひたすら検索していたセラフィームです。カタルシスを狙おうとしたわけではなく、元来この病気になる前からその手の漫画が好きだった影響もあり、どちらかと言えば一般的に名前が挙がる事さえないまだ知らぬコアな漫画がどれくらいあるのだろうという期待も勿論ありました。そういった経緯を経て、まとめサイトでよく出てくるような上記キーワードの漫画をワンコインで買えるものを優先的にやみくもに買っていったのですが、2016年に知った押切蓮介氏の「ミスミソウ」に引き続き、2017年はしょっぱなからさらにとんでもない奇跡的作品に出会いました。作品自体は過去に映画化されたものの、再販が復刻はもとよりコンビニ本でもあまり頻繁に見かけたことがないため、著者が現在でも積極的に活躍していて有名でも、作品自体の知名度は頗る低いかもしれませんが、その書は西原理恵子氏の「ぼくんち」でした。これを一読した時の衝撃は凄かったです。 初めは仕様の歴史がよくわからずに単行本から集めたのですが、その後1冊まとまりのモノクロの(全)と銘打たれた書と、大判のオリジナル版も購入しました。内容は、母親が同じ種違いの姉ちゃん(かのこ)、一太、二太をを中心とした日常物なのですが、人間が生きる・幸せとは何かというテーマに関しては、これほどリアリティがあり、説得力のある作品は残念ながら私の経験の中でもお目にかかったことはありません。近年では「闇金ウシジマくん」を筆頭に、お金に関しての良書では「ナニワ金融道」「カイジシリーズ(2章まで)」は不動の地位をセラフィームの中で占めていますが、生き方に関する古典的な有名作である「課長島耕作シリーズ」、手塚治虫氏の「ブラックジャック」「火の鳥」「ブッダ」、白戸三平氏の「カムイ伝」、そして意外と見過ごされがちな水木しげるの社会派系の短編などに匹敵する作品に久しぶりに出会ってしまったようなインパクトを受けました。こういった殿堂入りしている巨匠たちの作品と並べるのは違和感を覚える方々も大勢居られるかと思いますが、生き方に関しての長編有名作は、行間を読むのが困難だったり、一寸現実離れした部分も垣間見えてしまうのも確かなので、僅か単行本1冊にまとまってしまうボリュームの中で、個性的な登場人物を介して、生きることについてここまで考えさせられた漫画も非常に稀有と言っていいでしょう。そういった意味では、聖書であったり、仏教の各宗派の教えであったり、コーランであったり(これは翻訳が禁止されているので、日本人で読まれておられる方はとんでもなく少数化と思いますが。)、7つの習慣に代表されるようなビジネス書・啓蒙書であったりを理解しようとして途方もない時間をかけるよりも、よほど身近で人間の本質をよりわかりやすく突いた作品だといえるかもしれません。セラフィームの過大評価が過ぎるかもしれませんが、値段もお手頃ですし、是非ともメインで織りなされているお姉ちゃん視点、一太視点、二太視点、こういち君視点、場合によってはサブキャラであるクソドロ、トロちゃん、さおりちゃん視点等で物語を読んでいってみてください。 無論、これだけで人生観が変わるなんて仰々しいことは言えませんが、場合によっては息苦しい現在の状況を打破するヒントを与えてくれるかもしれません。 人間関係・学校生活・会社関係と何かしら心の奥底にトラブルを抱え込んでおられるかには特にお勧めの1冊だと思いました。 ぼくんち【上中下 合本版】【電子書籍】[ 西原 理恵子 ]