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Ciao a tutti プリンスの日常          ~まったり過ごす日々~

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Aug 31, 2006
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カテゴリ:日々雑感
昨日、郵便受けに我が家のかかりつけ医の病院からメモが入っていました。

いつもよくしてくださっている看護師長さんからで、院長が急逝したとのお知らせでした。

こちらの病院とのお付き合いは今の家に引っ越してからなのでまだ6年くらいなのですが、家族全員のかかりつけだったので、たまたま去年の秋に体調を崩して受診したときに、夫が亡くなったことを知らない院長先生から「ご主人最近体調はいかがですか?」と聞かれ、話したことをきっかけにいろいろと気にかけていただくようになりました。

「今日は患者さんがたくさんいて時間が取れないから○日に都合がよかったら来て下さい。」と言われ行ってみると、2時間以上私の泣きながらの要領を得ない話を聞いてくれ、ご自身も一人息子さんを早くに亡くしたこと、医者なのに一番身近な人を救えなかったことに対する無力感、その後、体調を崩した奥様を看取られたこと、なぜ自分ばかりがこんな苦難に合うのかいろいろなものを恨んだこと、それでも自分の気持ちに向き合い、いろいろな本を読み漁り、自分なりの答えを見つけられたこと、そんなことを訥々と話してくれました。

私に対しては、いろいろな感情を出しなさい、日記に書き綴ってもいいし、口に出すだけでもいい、そうすると自分でも目を背けたくなるような感情に出くわすこともあるけど、それで自己嫌悪に陥らないで、必要な過程だから。
それから少し落ち着いたらいろいろな本を読むといいよ。新興宗教とかではなく、過去の偉大な宗教家の言葉にはいろいろな気づきも含まれているから、色物だと毛嫌いせずに手に取ってみると新たな発想が出てくるかもしれない。
あとね、仕事をしたり、いろいろな人に関わると、あなたが笑っているだけで「もうダンナのことは忘れたのかしら?」とか、男性と仕事の話や世間話をしているだけで「もう別の男と仲良くしている。」とか心無いことを言う人が必ず出てくると思う。でもね、世間なんて勝手なものだから、気になるとは思うけど、気にしない努力をすること、ここだけは自分のために頑張って。あとは頑張らなくていいから。

おおまかにはこんな感じのアドバイスをいただきました。

その後もプリンスの予防接種や病気で連れて行くたびに「食べてますか?寝てますか?でもちょっと顔色よくなってきたね。」などと気にかけてくれました。



昨日はそのメモを読んでなかなか眠れず、今日プリンスを保育園に連れて行ったあと、病院へ行き、仲の良い事務室の方と看護師長さんからお話を聞いてきました。

先週出勤途上で交通事故に遭い、病院に運ばれたものの意識が戻ることなく翌日亡くなったとのこと。
最近、仕事関係の書類の整理をしたり、思い出話をしたり、自分が入る墓を買ったりと、妙に準備していたこと。
潜在意識でわかっていたのかしら?今思うととても不思議なのとおっしゃっていました。


院長先生の診察室は今日は薄暗くて、でもカーテンを開ければ、院長先生がいつものように座っていて「今日はどうしました?」って声をかけてくださる気がして号泣してしまいました。

1年経った今でも立ち止まったままの私にとって、院長先生が歩んでこられた道のずーっと後ろを歩いていけるようになるのが最終目標でした。

ご家族を次々に亡くしひとりになっても、苦しみながらも立ち直り、外来治療だけでなく、地域のお年寄りの在宅ケアのためにほぼ毎日往診に飛び回り、時間外は患者さんの相談に乗り、夜間でもアドバイスできるように自宅の電話番号を教えてくれる熱心な先生でした。

プリンスが水疱瘡になったときも、「心配なことがあったら夜中でも電話してきてください、いつも枕元に電話を置いているからすぐ出られますから。」とおっしゃってくれて、夫にも相談できない私にとってとても心強い存在でした。

夫を亡くして以来不安定な私にとって精神的支柱になってくださった先生でしたので、無性につらくて悲しくて帰宅してからもプリンスのお迎えの時間まで泣いていました。

いろいろな苦難に立ち向かってきた先生だから、亡くなるときくらいは穏やかに天寿を全うして老衰で逝って欲しかったと見送る側である私は心から思います。

でもご本人にしてみれば、すべての苦しみから解放されて、今ごろは何十年かぶりに奥様、ご子息にお会いして家族水入らずで楽しく団欒している至福の時間かもしれません。


「先生、やっと会えてよかったですね。これまでの分もこれから家族の皆さんとお幸せにお過ごしください。もし夫に会えたら私のこと、子供のこと話してやってくださいね。よろしくお願いします。いろいろとお世話になりました。ありがとうございました。」





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最終更新日  Sep 1, 2006 12:14:53 AM
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