ブレイド2
「どうしたの?」「銀とニンニクが効かない。」「知らなかった。」「知ってたら教えたか?」「隠しごとはしてないわ。」「(だが)やつは君を助けたぞ。」面目ない。吟遊映人の読みは、まだまだ浅かった。てっきり前回で死んだとばかり思っていたウィスラーは、ヴァンパイアのところでどうにか生き長らえていたようだ。ウィスラーはとてもわかり易い立ち位置で、むしろ安心感のある存在なのだ。日本の「仮面ライダー」を思い出していただきたい。ほら、“オヤジさん”が出て来るのを覚えていないだろうか?確か、仮面ライダーを影ながら支えてあげる唯一の理解者だ。端的に言ってしまえば、ウィスラーの存在はこの“オヤジさん”である。それから驚いたことはまだある。2作目はもの凄いことになってしまった。なんと、ヴァンパイアさえ無差別に襲う、新種のウイルス・リーパーズというやつが現れてしまったのだ!恐るべしリーパーズ!そんなわけで考えられないことが起こってしまった。それは、フツーのヴァンパイアからブレイドたちハンターのもとへ、休戦協定が申し入れされたのだ。なにしろブレイドとフツーのヴァンパイアたちが、いつも通り戦っている場合じゃなくなってしまったというわけだ。とりあえず和平を結び、お互い手に手を取り合って、同じ敵であるリーパーズを倒してからその後にでも本来の戦いを再開しようではないか・・・みたいな段取りになった。日夜ヴァンパイアと戦い続ける男ブレイドは、前回フロストとの決戦の際、殺されたはずの盟友ウィスラーがヴァンパイアのアジトに囚われの身となっていることを知る。ブレイドは決死の覚悟で潜入。無事にウィスラーを救出する。ブレイドはウィスラーのいない間、スカッドという相棒を得て新しい武器の開発やマシーンの改良を重ねていた。こうして3人のハンターたちがチームを組むことになった。そんなある日、ブレイドたちの前にヴァンパイアの大君主ダマスキノスの愛娘ニッサとその仲間たちが現れる。なんとそれは休戦協定の申し入れであった。これはお世辞でも皮肉でもないのだが、ますますおもしろくなって帰って来た2作目、という感じがする。なんだろう、この感触は・・・そう、「スターウォーズ」と「エイリアン」と「プレデター」を丸ごと足して2で割った、そんな超大作なのだから!さらにさらに、本作「ブレイド2」ではこれまでの強いヒロインから脱却し、強がらない女性が登場した。ラスト、日の光を浴びてヒロインが死んでいくシーンなのだが、セリフがスゴイ。「私、(フツーの)ヴァンパイアとして死にたい・・・。」リーパーズに感染して得体の知れない生きものとして死にたくなかったのであろう、このけなげなセリフって・・・。(涙)ここで申し上げたいのは、“ヴァンパイアとして死のうが、リーパーズとして死のうが、50歩100歩じゃん”などと冷めたことを口にする人たちにはこの作品は観て欲しくない。あくまで正義を愛する人たち、そしてマンガの実写版を心から喜ぶ世界のアメコミファンに捧げたいと思う。(←映画製作者サイドの胸の内を代弁してみた。)2002年公開【監督】ギレルモ・デル・トロ【出演】ウェズリー・スナイプスまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)