特命係長只野仁~最後の劇場版~
「営業二部の村川という男の口座に3千万振り込みがあったそうです」「訳ありの金としか思えんな」「日付は12月19日、振り込んだ相手は“日の丸物産”だそうです」「日の丸物産・・・」「何か心当たりはありませんか?「ちょっと調べてみる。・・・やっぱりただの係長やなかったな、お前」「いえ・・・ただの係長です」この作品は、世の殿方を多いに悦ばせること間違いなしである。と言うのも、ストーリーうんぬんより強引な場面展開とお色気ムンムン大人のドラマ的なカラーが強いからである。作者は漫画家の柳沢きみおで、週刊現代に連載された人気コミックの実写版という形になっている。地味で冴えない窓際係長のもう一つの顔・・・みたいなテーマが作品のコアになったものだ。正直なところ、女性サイドからすれば高橋克典ファンが飛び付くか、あるいは殿方サイドならお色気ムンムン下ネタに生唾を飲むか、まぁそういう娯楽モノである。電王堂の総務二課係長である只野仁は、野暮ったく残念な人柄で、皆からは諦められた存在である。だが、彼の真の姿は違っていた。彼は電王堂最高責任者である会長直属の特命係長として、社内に蔓延る不正を暴く立場にあったのだ。ある日、只野は「フラワー・アース・フェスタ2008」のイメージ・キャラクターである人気グラビアアイドル・シルビアのボディガードを任される。シルビアは何者かに狙われ、怯えるのだった。ある意味、春先に観るには格好の作品かもしれない。難しい顔してため息の出るような映画から解放され、たまには「ありえん!」と思えるようなバカバカしい娯楽映画も、気分転換には持って来いなのだ。肩肘張らずに居間のテレビでゴロンと横になりながら観てみたい・・・そんな作品なのだ。2008年公開【監督】植田尚【出演】高橋克典、永井大、赤井英和また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^)