アイ・アム・ナンバー4
「仲間を捜せ。もっと強くなれるぞ」「君の助けがいるんだ」「お前なら大丈夫。仲間を捜せるさ。お前には想像もつかない力がある」「・・・ヘンリー」若かりし頃は誰もが抱く、自分に内在した特殊性。“オレはアイツとは違う”“世間のヤツらみたいに単純じゃないんだ”的な自我の目覚め。それが大人になるにつれ、たいていの人は丸くなっていく。この作品でも、他人とは違った状況にある少年たちが、自分は今何をするべきなのか、何をしたら良いのかに気付き始め、少しずつ大人への階段を上って行くというストーリーになっている。端的に言ってしまえば、青春サクセスストーリーにSFがリンクしているような感じだ。 宇宙のどこかで侵略戦争が起こって、その星の生き残りの一人がナンバー4なのだが、地球という第二の故郷で青春を謳歌する。だが侵略者たちは、その生き残りたちを逃がすことなくどこまでも追って来る。戦々恐々として、ナンバー4とその父親(守護者)は身を隠し続ける。このようなストーリー展開は、正直なところ常にありがちで、斬新さには程遠い。メインが若手の役者さんばかりということもあり、演技力にも期待が持てず、残念な仕上がりだ。惑星ロリアンを侵略され、地球に逃亡して来たジョン(ナンバー4)とその父親ヘンリーは、オハイオ州の片田舎で暮らすことにする。侵略者たちから常に命を狙われ続けるジョンだが、普通の高校生として通学したくてたまらない。どうにかヘンリーを説き伏せ、高校に通い始めるが、そこで感性の豊かな少女サラと出会う。ジョンはサラに惹かれ、好きになり始める。同時に、ジョンは自分自身が普通の人とは違った特殊な能力を持っていることに気付く。 それは、両手から青白い光を放つ、レガシーというパワーだった。必死な演技で意気込む主役のアレックス・ペティファーだが、むしろヒロインのサラ役ダイアナ・アグロンの方が魅力的だった。カメラで人物を撮影するのが趣味の、感性豊かな少女というキャラだが、なかなかのキュートでチャーミングな印象を受けた。さらに、ナンバー4の守護者ヘンリー役のティモシー・オリファントも、若いキャスティングの中にあって、さすがに堂々とした演技が際立っていた。日本でも一応劇場公開されているようだが、あまり話題にはのぼらなかったような気がする。興行的にはどうだったのかしら?吟遊映人の個人的な感想で恐縮だが、全体的には可もなく不可もなくと言ったところだろう。2011年公開【監督】D.J.カルーソー 【出演】アレックス・ペティファー、ダイアナ・アグロン、ティモシー・オリファントまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)