吟遊映人ア・ラ・カルト(2014)
加齢とともに、一年の経過が早く感じられます。今年を振り返りますと、例外なく様々な出来事に見舞われました。御嶽山の噴火、広島の土砂災害、長野を中心とした地震。それはもう天災のオンパレードでした。テレビでその悲惨な状況を目の当たりにすると、この世には神も仏もないのかと絶望的な気持ちにもなりました。ところが人間というものは不思議なもので、かわいそうだ、気の毒だ、と思っているこちら側の立場にいますと、直接自分とは関わりのないことである以上、しばらくすると忘れてしまうのです。というのも、少なからず人は誰しも生きていれば、それなりの雑事に追われたり、身内の不幸に見舞われたりするので、他人様のことばかり目を向けてはいられなくなるわけです。 大切な人の死に直面するというのは、誰にとっても哀しいことで、それはある日突然災害によって亡くなるのも、事故で亡くなるのも、あるいは病気で亡くなるのも、「死」という現象は同じなのです。(もちろん、「死」に直面するまでのプロセスは人それぞれに違いはあり、衝撃の度合いというものも異なります。) 吟遊映人を管理している私たちそれぞれに、今年はいろいろとありました。それはプライベートなことにもなるし、ここであえてつらつらと語る内容でもないので省略しますが、「痛み」と向き合ったということだけお伝えしておきます。人が生きていく上で、決して避けては通れない感情の一端である「痛み」。おそらくこちらのブログを常々ご覧いただいている皆さまの中にも、一言では言い表せない辛さ、哀しみ、打撃を経験され、「痛み」に耐えて来られた方がいらっしゃると思います。どうかその気持ち、時間をかけてゆっくりと乗り越えて下さい。無責任な同情や励ましより、時間の経過こそが何よりの癒しであることと思います。 本年も吟遊映人の記事をご覧いただきまして、本当にありがとうございます。来年も何とぞよろしくお願い致します。皆さまのご多幸を心よりお祈り申し上げます。