河津桜の里
ロシアがウクライナに侵攻したのがちょうど1年前。昨年の2月のことです。思うことはいろいろとあります。この戦争で一番メリットがあるのは誰なんだろうとか、一体プーチンは何を考えているのだろうとか、まさかこの先、核兵器の使用はあるのだろうか、などなど・・・とは言え、2月と言えば日本では早咲きの河津桜が楽しめる季節。ああ、日本の春だなと、実感します。戦禍の人たちは、この美しい桜を愛でることも叶わないのかと思うと、何とも言えない、たまらない気持ちになります。宇宙に浮かぶチリよりも小さな自分に、一体何ができるのだろう、、、などと考えるのもおこがましい。感傷的になるのはやめましょう。しょせん人は自分のことで精一杯。誰かのことをかまっているとすれば、それは案外、ヒマつぶしの行為にすぎないのかも。昔、〝筑紫哲也のNEWS23〟という番組が放送されていたのを思い出します。内容はともかく、エンディングに流れていたあの歌は、50歳を過ぎた今も忘れることはありません。井上陽水の名曲、『最後のニュース』です。2月11日(土)、私は息子の運転する車に乗って、伊豆まで出かけて来ました。車内では、Bluetoothを使って、私の好きな音楽を流してくれました。にわか孝行息子なのです。陽水の歌詞が、胸いっぱいに沁みわたります。結局、私たちはどうあがいたところで何もできないのです。(しかし、だから何もしなくて良い、という意味ではありません)この世界の人に等しく言えるのは、〝おやすみ〟とか〝またね〟とかわす優しい気持ちのあいさつのみ。それで充分なのかもしれません。と言うわけで、河津桜の里として有名な、伊豆の河津町へ行って来ました!河津町は、川端康成の名著『伊豆の踊子』の舞台として有名です。なので河津桜の咲く今ごろに限らず、文学好きの聖地巡礼としても、充分な観光地です。車で行かれる方々が、まず心配するのが駐車場の確保ですが、この河津桜の季節は町を上げての一大イベントなので大丈夫です。町内の何ヶ所か駐車スペースが設けられていますから、案内の看板に従えば良いのです。何なら一般住宅の庭らしきところも開放されて、車を停めることができるようになっています。(駐車料金は有料¥1000でした)私が出かけたときは、まだ三分咲きで、観光客はチラホラでした。でもこれぐらいでちょうど良かったです。ごった返す人ごみの流れに乗って桜を眺めるなんて、興醒めなので。河津川沿いに約4km、約850本の桜並木が続き、ピークともなれば濃いピンクが特徴の河津桜が咲きほころびます。桜まつりの期間中はたくさんの露店も軒を連ね、夕方6時過ぎからはライトアップの演出もあるようです。おさえておくところは2箇所あります。まずは、川津来宮神社の境内にある大クスの木を見学することです。それはもう見事な御神木で、思わず手を合わせたくなるのですから不思議です。なんと、樹齢千年以上とのこと!国指定天然記念物です。次におさえるのは、河津桜の原木です。この原木があるのは、県道14号線沿いで、一般のお宅の庭らしきところにあります。ワサワサと観光客が群れると、狭い歩道はたちまち埋まってしまうので、記念撮影を済ませたら、サッサと移動するのがマナーでしょう。他にもあれこれ観光スポットはあるのですが、生まれも育ちも伊豆の人間である私が記憶する、歴史と伝統を誇る見モノは、まずこの2点でしょうか。桜まつりは2月いっぱいです。足湯も楽しめたり、レンタル自転車もあるので、なるべくなら晴れたときに行かれるといいかもしれませんね。(健脚の方は、約4kmの川沿いの桜並木をはんなり歩かれるのをオススメします)テレビのニュースによると、来月の半ばぐらいからマスク着用が解禁されるようです。河津桜の桜まつりは2月いっぱいですが、河津桜そのものは3月半ばごろまで楽しめると思います。ぜひ、マスク解禁記念に(?)河津桜をお楽しみください!