無料ブックガイド
べつに初めて気付いたわけじゃない。もう何年も前からこのブックガイドの存在は知っていたけれど、あえて【発見】というカテゴリに分類してみた。私がここでわざわざ紹介するまでもなく、たいていの人は一度ぐらい目にしたことがあるのではと思われる。それは毎年夏になると、新潮文庫、角川文庫、集英社文庫から、それぞれ無料のブックガイドが発行されるのだ。おそらく長い夏休みに読む一冊を決める参考にして欲しい、と言うねらいだと思う。なので、中高生向きのブックガイドなのかもしれないが、あまりそう言う対象にこだわらなくても充分楽しめる内容となっているので、紹介しようと思う。まずは伝統あるこちらからーー【新潮文庫の100冊】私も長いこと読書を趣味にしているけれど、この薄い冊子に紹介されている100冊のうちで、私がすでに読了したものはわずか18冊。残りの82冊は全く知らない作品ばかりだ。(トホホ・・・)新潮文庫のブックガイドの特徴は、小説のカテゴリを分かりやすく5つに分けていることだ。・恋する本・シビレル本・考える本・ヤバイ本・泣ける本という具合に分類することで、読者がどんな傾向の小説を読みたいのか、その傾向に見合った作品を提案している。さらに、その小説の「コレ」というインパクトのある一行を抜粋し、作品名とともに紹介しているのだ。こう言う演出はさすが新潮と言う感じだ。【ナツイチ】〜夏の一冊 集英社文庫〜集英社文庫のブックガイドも、概ね新潮文庫と同様、小説のカテゴリを4つに分類している。・ワクワクな本・ハラハラな本・ドキドキな本・フムフムな本という、とてもざっくりとしたジャンル分けとなっている(笑)そして特徴的なのは、一冊一冊に全国の読者による一言レビューが掲載されている。ちなみに私がざっと目を通して感じたのは、「ワクワクな本」という括りは、わりとティーン向けの小説が多いような気がしたこと。(ファンタジー系というやつだろうか)「ハラハラな本」は、文字通り恐怖感を煽るものもあるので、ミステリー系が主だ。(このカテゴリに太宰治の『人間失格』が入っていたのはビックリしたけれど・・・)「ドキドキな本」は、いわゆる青春小説とか恋愛小説と言われるもの。このカテゴリもティーン向けかもしれない。「フムフムな本」、この括りは純文学系。私ぐらいの世代はこのカテゴリから選べば、わりと読みやすいのでは・・・【カドブン夏推し】角川文庫はかなり個性的な巻頭だ。フローチャート的になっていて、自分の好きな一冊、「推し」を見つけるというスタイルになっている。・しらない世界とつながる!・驚きの謎とつながる!・語りつがれる想いとつながる!・大人も子どももみんなつながる!・心揺さぶるラストへつながる!という具体的なジャンル分けをしているので、とにかく何を読んでいいのか分からないという人には、かなり良心的で丁寧なブックガイドとなっている。要は、読書感想文を書かなくちゃならないのに、何を読んだらいいのかわからない、と言う学生には持ってこいのブックガイドだと思われる。巷では、著名人がこぞってブックガイドを出版していて、もちろんそれらはとても参考になるけれど、私の経験から言わせてもらえば、かなりレベルが高くて読みにくい小説とか、小難しい学術書などが掲載されていることがある。せっかく高いお金を出して買っても、自分が望んでいたような読書案内ではない場合もあるので、実は私にとって、毎年楽しみにしているのは、上記のような無料のブックガイドだったりする。レジ横に置いてある場合もあるし、文庫コーナーに山積みになっている場合もある。ぜひ皆さんも、気軽に手に取り、暇つぶしにでも読んでみてはどうだろう。最近の小説としてのトレンドもわかるし、華やかな表紙のイラストに目を奪われたりもする。うだるような夏は、アイスコーヒーでも飲みながら、ブックガイドでも眺め、ゴロゴロするなが一番‼︎(笑)~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから