ご機嫌な毎日　＜東京見聞録＞

　老人ホームへゴスペルを歌いに行って来ました。

私自身は２回目、クワイアとしての訪問は３回目です。

　前回は地震の直後、３月末だったということもあり、

メンバーを覚えてらっしゃる方々もいて、とても温かく迎えて頂きました。

　体に不自由な方たちが多いので、

徐々に会場に集まってきます・・・その中リハーサルをしていたのですが、

この声にあわせて一緒に歌ってくれたり、

拍手を頂いたりで、すでに色んな思いがぐっと込み上げてきます。

　４５分のステージ。

「ゴスペル」は英語の曲が多く、いつも伝わるかなぁ、どうだろうなぁって

思うのですが、

はじめは硬い表情だった方々が、

ピアノの音と手拍子と歌声に、かすかに反応があったり

一緒に体でリズムをとってくれたり、歌ってくれたり・・・

ハーモニーに「きれい」と声をかけてくれたり。

　一番前で歌っているので（背が小さいもんで）

できるだけ多くの人たちの目を見て歌うよう、

一人ひとりに伝わるよう心掛けました。

普段の練習では、どちらかというと自分に向かって歌うことが多いのですが、

老人ホームのステージでは、気づけば誰かに語りかけています。

不思議なものです。

　英語の歌でも喜んで頂けるのですが、

何より一体感が生まれるのは、やっぱり日本の歌。

今回のメドレーは

　３６５歩のマーチ

　たなばたさま

　夏の思い出

　ふるさと

という夏の曲。

　日本語の曲は、ストレートに感情が伝わり

私自身の色んな引き出しを開けてしまうのか、

目の前の人たちの温かな気持ちが伝わるのか、

涙がこぼれそうになります。

　でも歌い手として前に立っているので、

最後までちゃんと歌おう・・・と、プロではないですがそれだけは

思いながら、気持ちよく歌わせてもらえました。

　終わった後、少しだけ交流。

私たちが交流した方々から、「歌って！」とリクエストされ

戸惑いつつ、「ふるさと」を一緒に歌いました。

　残念な私たちは、１番しか歌詞をちゃんと覚えてなくて

申し訳ないと思いつつ、１番ばっかりを３回も歌いました。。。

次回までにちゃんと歌詞を覚えておかなきゃ。

　老人ホームで歌わせてもらうと、

いつも実家の母親を思い出します。

さいわい、母は元気で一人で暮らしていますが、

事情が違えば同じような境遇になっていたかもしれません。

　母とは連絡も取っているし、たまに帰っていますが、

ホームの人たちが懸命に歌っている姿に重ねてしまい、

「ふるさと」は遠く感じてしまいます。

　「また来てね」

そう言って頂けて、本当に有難い１日でした。