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正直言ってこのような映画を取りあげると、またマニアックな方々が黙ってはいないと思い長い間遠慮してきましたが、このシネマ雑報はありとあらゆるジャンルの映画を批評することを明言としていますし、どんな映画に対しても忌憚(きたん)のない批評をするのが特徴ですから、やはり本日も情(なさ)け容赦(ようしゃ)のない批評をしたいと思います。
と言う訳で、本日の映画は「リベリオン」です。 まずはストーリーです。 21世紀の初頭に起きた第3次世界大戦後、生き残った指導者たちは戦争勃発の 要因となる人間のあらゆる感情を抑止するため、精神に直接作用する薬「プロジウム」を開発し、人間の感情を徹底的に取り締まる管理国家を作り上げました。国民はこのプロジウムを毎日投薬することを義務づけられ、感情を喚起する絵画や映画、詩集や音楽などの芸術活動を一切禁じし、それを所持しているだけでも処罰の対象となり、その違反者はクラリック(聖職者)の称号を持つジョン・プレストン(クリスチャン・ベイル)を中心とした警察に厳しく処罰されたのです。武術と銃の技術が融合した最強の武道ガン=カタの達人でもあるプレストンは、政府高官にも一目置かれている存在で、冷徹に任務を遂行する非情の殺人マシンでした。ところがある日、誤ってプロジウムの瓶を割ってしまった彼は、仕方なく薬を投与せずに仕事へ向かったのです。そして何年にも渡ってプロジウムを拒否してきた女性メアリー・オブライエン(エミリー・ワトソン)を逮捕するのですが、彼女と出会ったことからプレストンの心には思わぬ感情が芽生え始めてしまい………、と言った感じです。 この映画はカート・ウィマー監督自らが考案した、銃と武術を融合させた斬新なアクション・スタイル「ガン=カタ」が炸裂する近未来SFアクションで、主演は「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベールが演じており、共演には「レッド・ドラゴン」のエミリー・ワトソンなども出演しています。 まあ右上に出ているパッケージを見てもらえば分かるように、良く言えばこの映画はあの世界的に有名な映画である「マトリックス」を彷彿(ほうふつ)とさせる雰囲気を持った映画だと言えるのでしょうが、これはどう考えても偶然に似てしまったのではなく、やはり意図的なものを感じてしまいます。 確かにこの映画で使われているアクションシーンは今までに見たことのないようなものなのですが、それを取り巻く世界観や設定、登場人物たちのキャラクターに至るまで凡てにおいてオリジナリティーがありません。 しかもその設定やストーリーは有り合わせのものを寄せ集めて使ったかのごとく安易で、その世界観は呆れるほどチープです。ですから映画のいたるところに矛盾が生じてますし、これでは観客もなかなかその世界観に入り込むことができません。 とくに気になったのは、違反者となってしまったプレストンを、感情が無いはずのブラント(テイ・ディグス)が罵(ののし)るシーンがあるのですが、あれは誰がどう見たって感情を露(あらわ)にしているようにしか見えないはずです。 もちろん所詮はフィックションですから矛盾があるのは当たり前ですし、リアリティーが無くても構いません。ですがその点ばかりが気になってしまうのは、やはり内容が詰まらないからでしょう。矛盾をも感じさせないほど面白ければ、多少の欠点は気にならないものです。 まあ唯一面白かったと言えるのはデュポン(アンガス・マクファーデン)とプレストンによる銃口の逸らし合いのシーンで、これはもう格好良いのか悪いのかよくわかりませんでしたが、この映画最大の見せ場と言えるでしょう。 とは言え、この映画をお勧めすることはハッキリ言ってできません。ですがマニアを喜ばせる要素(例えば日本刀など)などはふんだんに盛り込まれていますので、そういうのが好きな方にはたまらない映画なのかもしれませんね。 監督 カート・ウィマー 制作年 2002年 制作国 アメリカ 上映時間 106分 ジャンル アクション/SF/サスペンス 出演 クリスチャン・ベイル/エミリー・ワトソン/テイ・ディグス/アンガス・マクファーデン/ショーン・ビーン/マシュー・ハーバー/ドミニク・パーセル/ウィリアム・フィクトナー/ショーン・パートウィー/デヴィッド・ヘミングス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年02月16日 01時25分18秒
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