テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:カテゴリ未分類
先ほど先月の更新回数を数えてみたところ、映画批評の本数はたったの3本であることが分かりました。
まあ色々なトラブルが重なってしまったとはいえ、これは過去最低の数字であり、このシネマ雑報にとっては由々しき問題です。 と言う訳で、今月は少しでも多くの時間を割いて映画批評するつもりですので、みなさんもどうか見捨てないでやって下さい。 それではそろそろ本題に入りたいと思います。本日の映画は「グッバイ、レーニン!」です。 まずはストーリーです。 1989年、統一前夜の東ドイツ。10年前に父親が西側に亡命したアレックス(ダニエル・ブリュール)は、とても愛国心の強い母クリスティアーネ(カトリーン・ザース)と共に、平和な毎日を過ごしていました。ところがある日、反体制の考えを持っていたアレックスは反社会主義デモに参加し、警察に捕らえられてしまいます。そして偶然にもその瞬間を目撃してしまった母のクリスティアーネはショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまうのです。やがて時が流れ、母が意識を失っている間にベルリンの壁は崩壊し、統一したドイツは資本主義国家となります。そして8ヶ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒するのですが、医者から強いショックを与えてはいけないと注意されたアレックスは、クリスティアーネにドイツが統一したことを隠し………、と言った感じです。 この映画は、母親がショックを受けないようにと消滅前の東ドイツを必死に見せ続ける息子の奮闘をユーモラスに描いた感動ドラマで、ベルリン映画祭特別賞やドイツ映画賞銀賞など数々の賞に輝いたドイツ映画なのです。 とにかくこの映画は母のことを思うアレックス気持ちであふれています。アレックスの取る行動のほとんどは母親のためですし、そこにどんな苦労が伴おうとも身を呈して頑張るのです。そしてそのアレックスの献身的な愛情こそがこの映画最大の魅力であり、時に可笑しくそして時に切なくさせられてしまうのです。 なぜか古さを感じさせる独特な色合いの映像や、誰もが馴染みやすいスローなテンポの音楽が作り出す雰囲気も素晴らしく、まさに心癒されたい方には打って付けの映画と言えるでしょう。 ですが一つだけ残念なのは、ラストシーンが弱いということです。 これだけの材料が揃っているのであれば、もっと悲しく、そしてもっと切なく終わらせることができたはずなのです。それにもかかわらずあのような話のまとめ方するのは、恐らくこの作品をソフトなイメージのまま終わらせたかったからなのでしょう。できることなら最後の瞬間までもっとしっかりと描いてほしかったのですが、ひじょうに残念です。 と言う訳で、一応このシネマ雑報では名作(80点以上)に認定しましたが、あまり点数は伸びませんでした。もちろん、それでも充分にお勧めできる作品ではありますけどね。 監督 ヴォルフガング・ベッカー 制作年 2003年 制作国 ドイツ 上映時間 121分 ジャンル コメディ/ドラマ 出演 ダニエル・ブリュール/カトリーン・ザース/マリア・シモン/チュルパン・ハマートヴァ/フロリアン・ルーカス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|