テーマ:DVD映画鑑賞(14199)
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うーん、また随分と更新が遅れてしまいましたが、理由は「春眠暁(あかつき)を覚えず」と言う訳なのでご理解ください。
それでは久しぶりに本日も映画批評を始めたいと思います。 本日の映画は「8人の女たち」です。 まずはストーリーです。 1950年代のフランス。クリスマスを祝うため、雪に閉ざされた大邸宅に家族が集うこととなりました。そしてイブの朝、メイドのルイーズ(エマニュエル・ベアール)が、一家の主であるマルセルの部屋へ朝食を持っていくと、彼はナイフで背中を刺されて死んでいたのです。ところが調べてみると電話線が切られており、外から何者かが侵入した形跡もないことから、容疑者は邸宅に集まった8人の女たち全員であることが分かります。やがて互いの詮索が始まり、祝祭気分も吹き飛んで彼女たちは疑心暗鬼を深めてゆくのです。そしてその詮索の末に8人の女たちそれぞれの秘密が徐々に明らかとなり………、と言った感じです。 この映画はフランスを代表する8人の大女優が夢の競演を果たした事により話題となり、フランス本国ではあの「アメリ」をも抜くオープニング記録を樹立し、ついにはベルリン国際映画祭で8人の女優全員に銀熊賞が授与されたというまさに奇跡のような映画なのです。 まあこれだけ話題性があり、なおかつ国際映画祭でも評価されたとなればそれだけでも見る価値があるように思えてしまいますが、いざ蓋を開けてみますと、実はどこにでもあるような凡作でしかありません。有名女優を集めることに腐心したあまり、大事なものを見落としてしまったといった感じでしょうか。 これは先日の「ゴスフォード・パーク」の批評の時にも言いましたが、賞を取っていれば必ずしも良い映画とは限りません。いくら有名な女優がたくさん出演していようとも、その肝心な作品の出来が悪ければ凡て台無しになってしまうのです。 内容的には「ゴスフォード・パーク」と同様に群像劇によるミステリーなのですが、ミステリーとしてはだいぶ古臭いストーリーなので「なぜ今更?」といった感じがしますし、豪華さを演出するためかミュージカル要素も含まれているのですが、心に響く曲が一つもないので中途半端な仕上がりとなっています。 一応一人一人のキャラクターはそれぞれにスキャンダラスなドラマを持っているのでとても個性があって良いのですが、どのドラマも奇抜すぎて逆にリアリティーがなく、ちょっとやり過ぎの感があります。 まあそれでもやっぱりこれだけの有名女優が一同に会することは今後ないでしょうから、一見の価値があると言えるでしょう。なにせ見られないものを見ると言うのは、映画の醍醐味の一つなのですからね。 監督・脚本 フランソワ・オゾン 制作年 2002年 制作国 フランス 上映時間 111分 ジャンル コメディ/ミュージカル/ミステリー 出演 ダニエル・ダリュー/カトリーヌ・ドヌーヴ/イザベル・ユペール/エマニュエル・ベアール/ファニー・アルダン/ヴィルジニー・ルドワイヤン/リュディヴィーヌ・サニエ/フィルミーヌ・リシャール お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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